天気予報は当たるのか?(9月2日)猛暑続き台風7号日本海へ
故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。久々の長野の天気に慣れるため、毎朝コツコツ天気予報の修行中。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?
1、今日の一言
この夏の暑さは観測史上第1位の暑さになった、というニュースをご覧になりましたか?
過去113年間で最も暑い夏!!!まさに
歴史的な夏を経験したというわけです。
昨日発表された
気象庁の報道発表資料をちょっと抜粋してみます。
6月~8月まで
暑かった原因は3つをまとめると
①梅雨寒をもたらす
オホーツク海高気圧の影響が少なく暑い梅雨になった
②太平洋高気圧を南に押し下げる上空の流れが北よりで
太平洋高気圧に覆われた
③
エルニーニョ現象で北半球全体の気温が高めになってしまった
資料の最後に
「地球温暖化の影響が現れている」と言及しています。
万博の年、
1970年を境にして夏の平均気温が平年を上回る年が増えているんですね(タイ米を食べた年もありましたが)。
昔、月の石を見た(古い・・・)あの年以降、本格的に温暖化はスタートした?
”人類の進歩と調和”がテーマだった万博の
「調和」の部分が欠落しちゃったのかも。
今日は昨日と同じか、場合によってはもっと暑くなるかもしれません。
ただ、昨日、
秋を感じさせる季節の便り(赤とんぼ)が届いています。
■日時:2010年09月01日
■場所:長野県 長野
■内容:アキアカネ初見
■平年比:02日遅い
■昨年比:14日早い
15時40分追記:米軍の台風進路予想によれば、早ければ今夜、遅くとも明日午前中に台風9号が発生し、来週日本付近を通過しそうです。とりあえず、情報として・・・・
2、全国の予報
テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。
今日はエリア分けするような天気分布じゃありませんでした。
「猛暑列島」という言葉がピッタリかもしれません。
日本が周囲を海で覆われていなかったら、本当にサハラ砂漠や中東の砂漠と同じでしょうね。
3、長野県の予報
長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。
予報文には一応
「所により 夕方 から 雨」と書かれていますけど、昨日の状況からすると、とても
貧弱な夕立でしょう。
昨日の長野の青空は、秋の空じゃなくてKasayanが昔行った中国のタクラマカン砂漠(敦煌やトルファン)で見た空に似ていたような・・・・・・
この図の範囲内でも
「雨」の文字があるのは、
北陸の一部や東海の一部だけ。
関東の雷銀座・・・
栃木県にすら「雷」や「雨」の文字がありません。
レーダーなどで実況を観察して、
雷注意報が発表されることはありますけど、実質は
超地域限定になるようですね。
4、一般的な天気図の評
どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。
太平洋高気圧に守られていますから(代償もデカイですけど)、
台風には触れませんでした。
そこそこ湿った空気が流れ込んでいるので、
西日本ではもうちょっと
雷雨があってもいいようなものなんですけど、
高気圧から吹き下りる乾燥した熱風の影響で、モクモクと上空へ
発達することが抑え込まれてしまいます。
猛暑以外のポイントはこんなところでしょうか・・・・
5、今日の天気予報は当たるのか?
100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。
台風7号が来てますし、
明日は北日本で大雨のおそれがありますから、台風に触れざるをえません。
これは
韓国気象庁のレーダー画像。日本のレーダーの範囲をはずれてしまったので・・・・
このブログをアップするころには
韓国に上陸しているでしょうけど、
台風の東側と北側で雨雲が活発。
北朝鮮の食糧問題・・・・どうなっちゃうんだろう。
昨夜、女房がIRIS(アイリス)という韓国ドラマを見ていたので、
KMA(韓国気象庁)のデータを引用しちゃいました。
韓流ファンの方はチェックしてみたら?
横道にそれちゃいましたけど、
予想進路図。
日本の気象庁と韓国の気象庁の予想進路図を並べてありますが、多少コースは違えども、
早ければ明日午後、遅くとも明日夜遅くには北日本に上陸。
明日午前中、温帯低気圧に変化するとしても、
南の湿った空気を運びこむとともに呼び寄せますから、
大雨の可能性大。
今日から明日にかけての上空と地上の天気図をチェックしておきましょう。
まずは
今日から。
上空のドライヤーの吹き出し口・・
太平洋高気圧のコアはピークです。
下段の点線の内側が降水エリアですけど、
太平洋高気圧がブロックして沖縄をのぞいて日本にはかかってこないようです。
そして
明日。
上空の
太平洋高気圧のコアは少し弱まりますけど、そのかわり、
西日本の南岸に降水が北上。
また、台風が上陸する
北日本では、まとまった雨が予想されています。
今日の
具体的な雨の様子・・・というよりは雨が降りにくい様子を・・・・・
今夜、北海道の日本海側に台風から延びる前線の雨域がかかってきます。
また
西日本南岸にもポツポツのスコール様の雨域がありますけど、日本に近づけない傾向。
で・・・
東日本の夕立・・・・
夕立が極めて少ないことを確認するようなアニメになっちゃいました。
この計算値は夕立の計算については苦手・・・解像度の限界ギリギリですから、
実況監視で対応が必要です。
特に、気温上昇で発生する
熱雷はその傾向が強いようですから、
なにか変化があるようでしたら、追記でフォローしたいと思います。
ということで・・・ずーっと続いていますけど、
今日の天気予報も当たり・・・ですよね。
9月の暑さじゃなくて、真夏でも特に暑い日と同じですから、
ありきたりですけど熱中症にはくれぐれもご用心ください。
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kasayangw@yahoo.co.jp
可能な限り返信いたします。
(当ブログに引用の天気図等は、気象庁、WNIより使用許諾を得ています)
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