故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。久々の長野の天気に慣れるため、毎朝コツコツ天気予報の修行中。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?
1、今日の一言
今朝の衛星画像ですが、朝鮮半島から東北を通り、三陸沖へと
雲の帯ができています。
この雲の帯が
乾燥して爽やかな夏空と、湿った猛暑の夏空を分ける線・・
弱ーい前線帯です。
北海道の今朝はのきなみ
15℃前後まで下がって、布団をかけて寝たくなるような気温ですが、
東日本・西日本では沿岸部を中心に熱帯夜でした。
この線が東日本の
南岸まで南下してくれば猛暑は吹っ飛ぶんですけど・・・・
今日午後3時の雲の様子と地上の空気の流れ。
少しだけ南下してくるんですよね・・・・・
そして
雲の帯・・・上空の雲中心ですけど、
東日本に掛り始めて、ほんのちょっとだけ
太陽を遮って気温が低めになる可能性も・・・・あるかもしれない・・・・・
もっと南下すれば北東の涼しい風が東日本に吹き込みそうなんですが・・・・・微妙なんで
明日朝のお楽しみ。
(赤の点線部分は、風が収束するところ。雲が発生したり雷雲が発生しやすかったりします)
この
雲の帯の下、東北ではシャープな雨雲が発生していて秋田から岩手にかけて雨が降っているところがあります。
10年以上も前ですけど、ちょうどこの季節、Kasayanは
岩手県の盛岡に長期滞在して、岩手のテレビ局の秋の番組改編用の天気予報番組の制作をしていました。
今朝の東北のようなにわか雨の多い年でしたが、あの
24時間テレビの日・・・・
晩飯を食べて局に駆け戻ると、天気予報番組担当の部長が、
黄色のTシャツを着て
募金箱を手に玄関に立っているところに出くわして・・・・気象会社にとって、放送局はお客様・・・・
一生分の金額を募金してしまったことをレーダー画像を見ながら思い出してしまいました。
領収書がほしかった・・・・ああ・・・
ミミッチイ自分・・・・
2、全国の予報
テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。
エリア分けしようかどうか迷いましたが、一応
東北は曇りベースになっていますから、エリア分け。
夕立も含めて雨の降りやすい状態ですから、ぐずつきエリアとネーミングしてしまいました。
もっとも、雲の切れ間から夏の日差しもありそうですから、ちょっと悪目のネーミングかもしれません。
このエリアを境目にして、
北と西では同じ夏空でも性格が全然違う夏空になりそうです。
3、長野県の予報
長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。
猛暑夏空エリアが続く東日本。
長野県の予報も変わり映えがありませんが、今日は「昼過ぎ」とか「夕方」などの
時間指定なしに「所により雨」がついています。
もちろん
「雷を伴う」。
細かく見ると、今日は
北部だけでなく中部まで一日を通して北風。
風の流れが昨日までとちょっと異なります。
風の流れといえば、夕立の雨・・・
「所により」のエリアに影響を与えます。
どうなるのか?については、あとで・・・・
15時34分追記:中部まで北風が予想される場合、南部中心の雷雨になるんですけど、今日はこの傾向がありますね。15時過ぎ現在までは・・・。北部でも雄大積雲は発生していますが上空への発達は今のところイマイチ。この雲が夕方以降の上空気温低下にともなってどう影響するのか?・・・です。
4、一般的な天気図の評
どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。
北海道の高気圧がうらやましい・・・・・
書き込みだけでとりあえずOKなので、今日のポイント?は以上です。
5、今日の天気予報は当たるのか?
100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。
上のアニメで見た天気図・・・鏡餅みたいに
南北に高気圧の二段がさねになっていますが、
どうしてなんでしょう?なんか変ですよね?
上空の天気図で見ると、
太平洋高気圧のアタマの部分は西日本方面へ東西方向に勢力拡大。
でも、北への張り出しはイマイチで、
北海道付近は上空を西から東へ流れる強い風の通り道になっていて、
周期的に気圧の谷と気圧の尾根がやってくるエリアになっています。
今は気圧の尾根がやってくる周期なので、北と南に高気圧の二段がさねになってます。
この東西の流れの南側に
潜在的な前線帯・・・・これが
南下すれば秋。
うらやましい北海道のことは忘れて、猛暑の太平洋高気圧エリアと弱い前線帯に目を向けて・・・・・
いつものように、夕立の
雨の原料・・・暖湿流の様子を見てみましょう。
赤で示した雨の原料の目安・・・相当温位は相変わらず
ピークの345K以上。
水色が濃いほど湿った空気ですが、
北と南で空気の湿り気が全然違うこともわかります。
その
境目に潜在的な前線帯。
今日も何かおこれば夕立ドバッ・・・・の可能性は十分にありそうです。
で・・・・
今日の雨は?
午後、
東北南部や東日本・そして九州方面で雨が予想されています。
一番上から二番目の図(面倒でごめんなさい)・・・陸上に
赤の点線を引いた所中心の雨です。
東日本は?
昨日の様子からすると・・・
関東はこのアニメの傾向で推移するでしょう・・・
たぶん・・・・
昨日も長野県内の計算値は実況より少々過大の傾向がありましたから、
多少疑いの目で見なくてはならないのですが・・・・
日中もちらほら雷雨がありそうですが、
長野県内では夜になってから強い降水が計算されています。
昨日、昼過ぎに定番の山沿い中心に雷雲が発生しましたが、これはすぐ消えてしまい、
夜になって再びチラホラ小さな雷雲が発生していたんですよね・・・・・
今日はその傾向が強いのか?????
例によって、
雷雲の発生しそうなエリアを赤の点線で示しておきました。
同時に発生するんじゃなくて、
この線付近で雷雲が発生したり衰弱したりするわけですが、今日は
昨日に増して関東東岸から吹き込む東よりの風が卓越しています(強い風ではありませんが)。
このため、
雷雲の発生エリアも昨日までとはちょっと違います。
関東南部平野部でも東よりの風が収束すれば一時的に雷雨。
長野県も、
東風が県の西側まで吹き込み、太平洋高気圧から吹き込む
南よりの風や、日本海から吹き込む
北風と
ぶつかって雷雲を発生させる可能性があります。
具体的にどういうタイミングでどこで?は正直わかりませんが、昨日と同様の傾向を示すなら、
昼過ぎに県西部や南部の高い山で雷雲がいったん発生して消滅。
夜、昼間の雷雨の雲が残り、上空が放射冷却で冷えても地上付近の暖気が残って不安定に・・・アチラこちらで(赤の線のどのあたりかは????)で
再び雷雲発生ということになるかもしれません。
17時20分追記;関東南部の収束線で雷雲が発生しています。場の東よりの風に対して相模湾からの海風の南成分が入って収束域ができ上昇流発生、雷雲が発達したものと考えます。ある程度想定ができたので、ゲリラ・・じゃないですね。長野県南部の雷雲は中ア付近を中心に発生していますが、今後日が落ちてからは浅間山付近、八ヶ岳付近、乗鞍方面での雷雲の発生が注目されます。北ア方面は・・・・????です。
また、雷雲を流す
上空の風は弱く、方向もバラバラ。
風が弱いので、雷雲が流されず・・・・移動して拡散ぜず・・・・
同じ場所で強い雨を降り続けさせる・・・・という可能性があります。
ということで、
今日も夕立については?????という状態。
ある程度の予測はしてみましたが、
自信がありません。
上空に寒気がないときは難しい。
「所により」夕立があるとしかいえませんから、
今日も予報どおりでイイんじゃない?・・・ということでごめんなさい。
今日も時間があったら、気付いたこと、後から思いついたこと・・・もろもろ
追記します。
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可能な限り返信いたします。
(当ブログに引用の天気図等は、気象庁、WNIより使用許諾を得ています)