天気予報は当たるのか?(8月8日)雷雨に注意!増水警戒
故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。久々の長野の天気に慣れるため、毎朝コツコツ天気予報の修行中。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?
1、今日の一言
台湾付近に雲がかたまっていて、その東側の
雲の帯が日本方面へと延びています。
太平洋高気圧が東へ弱まって、南の湿った暖かい(暑い?)空気が日本付近へと流れ込んでいるわけですが、
立秋の昨日、台湾付近で熱帯低気圧が発生しました。
今年は
まだ台風3号までしか発生していませんが、
海水温もずいぶん上昇していて、台風が来れば発達する条件が整っています。
場合によっては、日本近海で台風や熱帯低気圧が発生する可能性が高くなるかもしれません。
どうなるのか?は、あらかじめ検討してもあまり確かなことはわかりませんけど、
熱帯低気圧による急な大雨・・・河川の増水・・・・行楽のテントが流される・・・・
昔、天気予報番組を担当していて、とてもイヤな想いをしたことがあります。
盆休みもスタートされた方も多いと思いますが、そんな事故がないことを祈っています。
2、全国の予報
テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。
北海道付近には前線が停滞していて、強まったり弱まったり・・・いずれにせよ、
北海道の行楽はイマイチという感じです。
また、北海道以外でも、今日は
南岸中心に傘マークがチラホラ。
猛暑・・・太陽ギラギラというだけじゃなさそうですから、
天気マークの天気予報だけチェックして終わり・・・・というのは失敗のモトです。
3、長野県の予報
長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。
予報文・・・今日は県内全域に
「雨」と「雷」の文字がついています。
「所により」ですから、夕立の可能性が高そうですね。
昨日、中南部に夕立が予想されていませんでしたが、昼過ぎに、山沿い中心に一時的な雨がありました。
予報文に書き込むレベルか否かというのは迷うところだと思いますが、この季節、長野県の場合は、
県内のどこかに夕立が予想されていたら、予想されていないエリアでも、山では・・・と考えておいたほうが無難ですね。
4、一般的な天気図の評
どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。
今日の
ポイントは暖湿流・・・夕立の発生可能性は昨日よりずっと高まります。
今日も書き込みを忘れちゃいましたが、
南からやってくる上空の寒気。
あとは書き込みのとおりですが、
熱帯低気圧・・・これが台風に成長するか否かは定かではありませんが、いずれにせよ、
九州・四国方面に強い暖湿流を流し込むポンプの役目をすることは確かです。
台風云々よりもそのあたりに注意しながら、
動向を見る必要がありそうです。
高気圧が弱まる傾向・・・日中の昇温による局地的な低気圧の影響を受けにくい横浜の気圧変化です。
5、今日の天気予報は当たるのか?
100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。
まず、今日
夕立の可能性を高める原因から・・・
太平洋高気圧のアタマの部分が
東海上になって、
小さくなっています。
ということは、上空では日本付近は弱い気圧の谷ということ。
その部分には・・・・
南から
-6℃以下の寒気のカタマリが北上。
上空に強めの寒気が入れば、当然
大気は不安定に。
この寒気の下あたりでは、
特に夕立、雷雨注意ということになります。
また、
地上付近に湿った暖かい空気が流れ込めがさらに大気は不安定に・・・
今日は、
九州の西側と東海付近に湿った暖かい空気が特に流れ込みやすくなります。
上空の寒気と対応させて考えると、
近畿・東海付近で大気が特に不安定になりそうですよね。
で・・・
雨はどうなるのか?
暖湿流と雨が多く計算されているエリアが対応してますよね。
一昨日からの計算値の傾向からすると、
もう少し降水エリア、広いんじゃないかな?と思って、短期予報解説資料というプロ用の資料を見ると・・・・
「降水はMSM も参考にするが、午後の不安定性降水は過少、西日本太平洋側では海岸付近に集中し過ぎている点に留意。」
なんて書かれています。
やっぱり、もう少し
内陸部の夕立の様子を大きく見積もって、西日本沿岸部だけじゃないよという見方をしたほうがよさそうです。
次は
東日本付近のアニメ。
長野県付近は
県の東と西にわかれて、暖湿流の流れと同様、
北へと延びるように降水が計算されています。
発生のタイミングは15時頃になっていますが、
もう少し早めに・・・そして全体に
多めに見積もる必要がある・・・・となると、ちょうど
予報文のように南部や中部では「昼過ぎ」、北部では「夕方」(午後3時以降)という予想が妥当な感じがしますよね。
(もうちょっと早めでもイイかな?実況からすると・・・)
ということで、
今日は、安全マージンも考慮すれば、予報は当たりでよいと思います。
くれぐれも、
川の増水などで、楽しいレジャーを悲しいものにしないよう気を付けてください。
当ブログの記事等に関して、ご質問・ご意見等がありましたら、コメント欄だけではなく、以下のアドレスにメールしていただいても構いません。
kasayangw@yahoo.co.jp
可能な限り返信いたします。
(当ブログに引用の天気図等は、気象庁、WNIより使用許諾を得ています)
関連記事