天気予報は当たるのか?(8月7日)猛暑いつまで夕立は?
故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。久々の長野の天気に慣れるため、毎朝コツコツ天気予報の修行中。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?
1、今日の一言
猛暑いつまで?・・・誰もが気になると思いますが、昨日
1カ月予報が発表になりました。
東日本の平均気温が
平年より高くなる確率が70%以上。
前回の一か月予報と同様、
暑ーい夏はこの先一カ月は続くということのようです。
立秋なんですけどね・・・・今日は。
ちなみに、一か月予報は、一か月に一回じゃなくて
毎週金曜日に発表されています。
結構知らない人が多くて、毎週発表というと驚く人も多いんですけど、
週間予報だって毎日発表されているんですから、毎週修正してアップデートする必要はありますよね?
2、全国の予報
テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。
津軽海峡を隔てて太陽と傘のマークが向き合っています。
Kasayanの小さなヨットでも6時間ほどで横断できた海峡ですけど、
気候的には大きな壁になっています。
どうしてなのか?は天気図で・・・・
3、長野県の予報
長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。
予報文を読むと、
中部と南部に「所により」がついていません。
夕立が予想されていないんですね。
北部だけ「雷」の文字がついていない
「所により 雨」が予想されていて、タイミングは
「夕方」から。
午後3時以降、弱い夕立が予想されているということですが、
びんずる祭りが開催される長野市・・・どこで降るの?については詳しくチェックしておきます。
関東は、晴れマーク一発で、
予報文に「雨」や「雷」の文字はありませんから、
夕立が特に少ない傾向は確かなようです。
4、一般的な天気図の評
どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。
アニメを作った後で・・・
失敗した・・・・と気付いたんですけど、
九州方面の上空には夕方にかけて寒気が入ってくるんですよね・・・・それも南側から。
そのため、
特に西日本で大気が不安定になります。
寒気の様子を書きこむのをわすれちゃったので、下の専門天気図で・・・・・・
太平洋高気圧、西への張り出しはイマイチ弱まりませんが、
北への張り出しは弱まってきます。
これにともなって
前線も南下してきて、
津軽海峡より北側に傘マークというわけです。
気圧の変化傾向をグラフで見ると、太平洋高気圧の微妙な動向がわかります。
5、今日の天気予報は当たるのか?
100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。
今日はいきなり
降水量の予測からはじめちゃいます。
前線が南下する
北海道・・・
夜になると雨が活発になるようです。
一方、
西日本も南から
降水エリアが北上してきて、夕方以降
南岸を中心に活発な降水が予想されています。
中間の
東日本は・・・例によって、
関東北部や長野県北部付近に青い色がついていますよね・・・・
この
原因・・・まずは、今朝の衛星画像・・・
水蒸気画像を見てみましょう。
湿った所ほど、白く写るのがこの写真ですが、
西日本ほど白っぽくなっていて、
日本海を北海道に向けて湿った空気が流れ込んでいるのがわかります。
また、
東日本の太平洋上に、真っ白になっている湿ったエリアがあって、積乱雲などの
対流性の雲が発達しています。
上で見た雨のエリアと、湿った空気の関係がリンクしていますが、
西日本の雨の原因の一つが図に書き込んだ
UCLという寒気を伴った上空の渦。
今朝の計算値で見ると、綺麗に
渦を巻いていて、
東側に寒気のカタマリを持っていることがわかります。
渦を巻いていて、寒気まであるとなると、
大気はむちゃくちゃ不安定。
これが
西日本に接近してくるんですから、西日本は
特に雷雨要注意ということになります。
今夜にかけて
UCLがやってくる様子。
今夜には、西日本をすっぽり覆ってしまいます。
次は、
北海道方面の前線の雨・・・夜に活発になる理由を・・・・・
太平洋高気圧のコアが弱まってくることは、昨日の記事でも書きましたが、やはりその傾向は続いています。
そして、
今夜北海道方面に上空の気圧の谷が接近・・・
前線が活発になって
雨も強まるということのようです。
高気圧の縁を回って
湿った空気も北海道方面に流れ込み続けますから・・・・・
数字を赤で塗ったところが特に湿った暖かい空気の場所ですから、
北海道の雨は原料供給?も十分のようです。
一方、
東日本付近・・・比較的乾燥した空気に覆われる傾向。
夕立の原料が少ないですから、夕立は
局地的に限定されることになります。
砂漠の暑さ・・・・?
東日本の雨の様子は?
北アルプスや関東北部の山沿いにちょっと計算されているだけです。
もっとも、
昨日の教訓?から、非常に局地的な雷雨は、
シミュレーションプログラムの解像度ギリギリですから、
うまく計算されていな可能性もあります。
一応、
発生するとしたら、どのあたり?どんな傾向?ということだけは想定しておきましょう。
赤の点線が、地上付近の空気がぶつかって上昇流が発生・・・
夕立雲モクモクになりそうな場所。
中部や北部の山沿いですが、風の流れからすると、
昨日昼過ぎにちょっとだけゴロッと来た場所と同じです。
また、
発生した雷雲を流す風は・・・・
昨日は、東風で夕立雲は岐阜県方向に流れたのですが、今日は
南風。
赤の点線付近で発生したら、北に流れます。
お祭りなど、屋外イベントで天気が気になる方・・・特に赤の点線のエリアに気をつけていて、
南に雷雲が発生したら、こっちへ来るかも・・・と考えるなら、心の準備、できますよね?
珍しい猛暑なので、資料を残そうと思って今日はずいぶん長くなっちゃいました。
今日の予報も当たり・・・と言いたいのですが・・・・中部と南部・・・・
本当に夕立なしでイイの?というところが気にかかります。
天気予報として文章化するほどではないかもしれませんが、
南アルプス、中央アルプス、八ヶ岳方面での局地的な熱雷発生・・・南風がぶつかる山の南斜面中心に用心は必要かも?
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(当ブログに引用の天気図等は、気象庁、WNIより使用許諾を得ています)
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