故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。久々の長野の天気に慣れるため、毎朝コツコツ天気予報の修行中。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?
1、今日の一言
長野駅付近から見た
菅平の今朝の景色ですが、
雲ひとつない寒い朝のような光景でした。
長野県北部・・・
今日は猛暑日が予想されていて、ひょっとすると
この夏一番?の暑さになるかもしれません。
太平洋高気圧の縁の湿った空気が流れ込むと、湿った白っぽい空のジメジメした暑さになりますが、さらに太平洋高気圧が張り出すと、湿った空気は西に押しやられて、
ギラギラの砂漠の暑さに。
ところで、
昨日は、計算値ほど夕立は発生しませんでした。
空気が乾燥し、上空の寒気も無くなり、
夏の強い日差しに地上が熱せられて
自力?で発生する雷雨が予想されていたわけですが、自力で発生する雷雲だけに発生は局地的。
局地的となると、先日までの積乱雲より
スケールが小さくなるので、シミュレーションプログラムの
解像度の限界になります。
そのために、
降水が過大に計算されるという結果になったのかもしれません。
今日も同様の気象条件・・・・
どうなりますやら?
2、全国の予報
テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。
昨日以上に
太陽マークが目立ちます。
原則的に
全国的に強い日差しの猛暑。
例外は、
九州や四国に傘マークですが、予報文や天気概況を読んで細かく分ければ、四国・九州太平洋側が不安定なスコールのような雨で、福岡・大分付近が夕立の雨ということのようです。
あと、
北海道の太陽マークが雲マークの右側ですから、どちらかというと
雲のほうが太陽より優勢というところでしょう。
3、長野県の予報
長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。
長野県の
予報文に「雷」の文字はありませんが、一応
「夕方」以降に「雨」の文字がついています。
「雷」が発生するまでは積乱雲が発達しない・・・ということでしょう。
そのかわり、
長野・松本で35℃の猛暑日が予想されていますから、雨無しの砂漠の暑さ・・・・
ちょっと視点を広げてみると、この図のエリアの中にある県の予報文で、
夕方以降に「雨」とか「雷」の文字があるのは、長野県と、雷銀座の栃木県(それも北部)だけ。
雷雨の殿堂?群馬県にすら夕立が予想されていません。
今日の予報は、
山岳地帯の局地的な夕立だけ・・・乾いた猛暑・・・夏らしいといったら夏らしいですけど・・・・・
4、一般的な天気図の評
どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。
一昨日より昨日、昨日より今日と、
日本付近の気圧が上昇しています。
太平洋高気圧の気圧の尾根が、東から日本付近に勢力を強めているからです。
ちなみに長野の気圧は8月2日から、
1006hpa→1008hPa→1012hPa、と上昇し続け、
今朝の気圧は1016hPa・・・・・暑い空気が重いですねぇ・・????
それだけ日本の
上空から吹き下ろす熱風が強まっているということになります。
今日のポイントは、
高気圧のさらなる張り出し+暖湿流の軸が西へシフト+北日本の前線も弱まり・・・全国的に猛暑・・・ということになります。
5、今日の天気予報は当たるのか?
100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。
太平洋高気圧のパワーをチェックするために、
上空の天気図から見てみましょう。
日本の上空には、
太平洋高気圧のコアがドカンと居座っています。
これじゃ
気圧が高くなるわけですが、
高気圧は下降気流の場で、赤道付近で上昇して上空を北上してきた空気がドライヤーのように
乾燥した熱波となって吹き下ろす場所。
ドライヤーの風で圧力を感じるように、気圧が高くなっているわけですから・・・・こりゃ猛暑ですなぁ・・・・
ということになると、おなじみの
高気圧縁辺の湿った風・・・・
縁辺が西に押しやられてしまうので・・・・
暖湿流の主軸は九州の西側までシフト。
西日本の南岸中心に、
東日本・西日本の太平洋岸の各地には、そこそこの湿った空気が流れ込む・・・
スコールのような雨雲がやってきて、雨が降ったりやんだり、ということになりそうです。
となると・・・具体的な
雨の様子は?
西日本太平洋側中心。
夕方以降、山沿い中心に所々で夕立が・・・という感じです。
東日本は、予報文どおり、
長野県付近が中心。
昨日の計算値と実況の関係を考えると、南部山沿い以外、場合によっては
この程度の降水すらないかも・・・・
雷雲発生と関係する風の流れは、昨日の記事に追記した図と同じです。
一応、
雷も想定される夕立ですから、安全マージンをとれば、予報のように考えるのが無難でしょう。
ちなみに、
昨夜発表の長野県の山の天気予報では、北部の山だけに「雷」の文字があって、南部の山々に「雨」とか「雷」の文字はありませんでした。
Kasayanとしては、昨日の傾向も考えると、
湿った空気が入りやすい南アルプスや中央アルプス方面だって夕立の可能性が高いのでは?と思うのですが・・・・・
山の天気予報は、気象庁じゃなくて、民間の日本気象協会が(たぶんかなり手作りで)作っているのですが・・・・どうなんでしょう?
最後は、ポイントになる
猛暑の様子。
赤で塗った
松本・大町・長野・千曲市付近が特に気温が高く計算されています。
矢印は、上空1500m付近の空気の流れですが、
南風になっていて、
中央アルプスや南アルプス、霧ヶ峰や美ヶ原を乗り越えて、これらの地域に吹き込んでいることがわかります。
おなじみ
フェーン現象まで発生してしまうので、
上空太平洋高気圧のドライヤーに加えて、山越えのドライヤーも・・・・
Kasayanは、気温の検討はあまり好きじゃないのですが、あんまりスゴイので、今日は気温もチェックしちゃいました。
今日の予報・・・・
夕立は安全マージンが必要ですし、山では特に重要ですから、これをはずれる可能性があるなんて絶対に考えられませんから・・・・
当然あたりです。
ありきたりなコメントで終わりたくないですけど・・・・
熱中症注意という慣れてしまった言葉も、
今日は特に意識していただきたいと思います。
当ブログの記事等に関して、ご質問・ご意見等がありましたら、コメント欄だけではなく、以下のアドレスにメールしていただいても構いません。
kasayangw@yahoo.co.jp
可能な限り返信いたします。
(当ブログに引用の天気図等は、気象庁、WNIより使用許諾を得ています)