天気予報は当たるのか?(8月2日)夕立雷雨特に注意!
故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。久々の長野の天気に慣れるため、毎朝コツコツ天気予報の修行中。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?
1、今日の一言
今朝のレーダー画像ですけど、関東の山沿い中心に雷雲。
驚くことに、
昨日の雷雲が残っているんです。
それだけ大気が不安定になっているということで、7時30分現在、山梨県には警報も発表されています。
夏の日差しで気温が上昇しなくても、
暖かく湿った空気が大量に流れ込んでいる影響で、それだけで不安定な状態。
ということは、日中気温が上昇してくると・・・ご想像のとおりですから、
今日は特にご用心というところです。
2、全国の予報
テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。
東日本と東北にほとんど太陽マークがありません。
この付近に何があるのか?は天気図で見てみましょう。
今日も相変わらず、
各地の予報文に「雷」の文字がついています。
3、長野県の予報
長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。
湿った空気が流れ込んでいるため、
モヤッとした空模様が続いています。
天気マークに太陽がありますけど、右側ですから
基本は曇りベース。
予報文には
「所により」「夕方」(午後3時以降)、
「雨」が予想されていて、もちろん
「雷」の文字。
夕立が待ち遠しい方も多いでしょうけど、どうでしょう?
今日は恵みの雨を越えてしまうところもあるかもしれません。
4、一般的な天気図の評
どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。
昨日に引き続き、
ポイントは太平洋高気圧がふたこぶラクダのようになって、東側の高気圧の縁辺を流れる
暖湿流が東日本・東北に流れ込むということ。
流れ込んだ暖湿流の行き先・・・
東北には前線がありますから、東北中心に雨。
夜には上空の気圧の谷(これはあとでチェックします)がやってくるので、
前線は活発化。
東北では大雨注意、
東日本では、雷雲が特に発生しやすくなるというストーリーです。
5、今日の天気予報は当たるのか?
100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。
まずは、ポイントになる
暖湿流と前線の様子から・・・
日本付近、
どこをとっても湿った空気で一杯ですけど、矢印で示した空気の流れに沿って、
東日本、東北に湿った空気が特に流れ込みやすい状態になっていることがわかります。
反対に
前線(点線)の北側は水蒸気が少なくなっていて、コントラストが明瞭。
二つの性質(密度)がまったく異なる空気がぶつかる場合、
前線が活発になります。
そして、
前線の北側の上空の様子。
前線の北側の上空には強めの寒気。
前線付近で発生した雲は、上へ上へとグングン成長・・・
雷雲が発達して大雨の可能性が高まります。
そして、この前線を活発化させるもう一つの要因・・・
上空の気圧の谷が夜にやってきます。
谷の東側(点線の右側)では、上空で空気が発散・・すると空気が薄くなるので、
地上付近では空気が収束・・・・
上昇流が発生しやすくなります。
前線付近はもちろん、
関東甲信地方の雷雲も発達しやすくなりそうです。
で・・・いつもの具体的な
雨の様子。
夜になると、
前線の降水の帯が太く・色濃くなるのがわかります。
中部地方には、オレンジ色の活発な降水も。
中部付近にズームすると・・・・
なんと、
活発な降水エリアは長野県北部でした。
例によって、上空3000m付近の
雷雲を流す風は南西風。
今日は、特にあちこちで発生しそうですから、これ以上詳しく検討するのは止めておきますが(本当は時間切れが近かったりして・・・)、気になる雲が発生したら、
レーダーで観察して、北東方向に流れそうだぞ・・という目で雨雲の流れをチェックしてください。
レーダー:
http://www.jma.go.jp/jp/radnowc/index.html?areaCode=207
今日の予報も当たりますけど、今日は
ここ数日で一番雷雲が活発になりそうですから、
どうせまた・・・なんていう考えはリセットしておきましょう。
関東方面も
ゲリラ雷雨・・・可能性は十分だと思いますけど・・・
予測できないのがゲリラですから・・・・
11時20分追記:Kasayanの備忘録。地上付近の空気の流れと雨雲発生の関係・・・レーダーに映っている雨雲の中にゲリラ雷雨はある?ない?
当ブログの記事等に関して、ご質問・ご意見等がありましたら、コメント欄だけではなく、以下のアドレスにメールしていただいても構いません。
kasayangw@yahoo.co.jp
可能な限り返信いたします。
(当ブログに引用の天気図等は、気象庁、WNIより使用許諾を得ています)
関連記事