天気予報は当たるのか?(7月24日)週末特に夕立雷雨注意
故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。久々の長野の天気に慣れるため、毎朝コツコツ天気予報の修行中。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?
1、今日の一言
昨日、
長野市付近で見られた積乱雲のうち二つ・・・・・
30分から1時間で、写真のような
雷雲が発生しては消滅・・・淡い
月明かりの中、夜の10時頃まで繰り返されていました。
海風が夜遅くまで内陸奥深くまで吹き込んでいて、22時頃になっても雷雲が発生していたようです。
それだけ、強い日差しで地面が暖められているということですが・・・・
今日は上空の寒気が南下してきます。
今日の夕立・・発生すれば、
昨日より激しいものになると考えられます。
そして、
明日にかけてもっと強い寒気が南下・・・・
明日日曜日の予報には、「所により雨」じゃすまなくなって、
傘マークまでついている所が多くなっています。
つきなみですけど、雷はもちろん、川の急な増水・・・・季節がら河原でのキャンプは・・・
2、全国の予報
テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。
北日本は不安定というよりは、
気圧の谷や低気圧の雨。
西日本と東日本は天気マークの裏に隠された
夕立の雨。
昨日、
東日本には、こんな
気象情報が発表されています(抜粋)。
東日本の高温に関する全般気象情報 第1号
関東甲信地方と東海地方では、ここ数日気温の高い状態が続いていますが、向こう一週間も気温が平年より高く、最高気温が35度以上の猛暑日となるところがあるでしょう。
気温の高い状態が続きますので、農作物の管理や熱中症などの健康管理に十分注意して下さい。
いわば
熱中症警報みたいなものですね。
(読売新聞)
熱中症、1週間で死者52人…5896人搬送
3、長野県の予報
長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。
昨日の朝の予報は「夕方から雨」でしたが、今朝の予報は
「昼過ぎから雨」。
もちろん、
「雷を伴う」がついています。
「所により」もついていますから、
所ってどこよ?
昨日は、場所によって降り出しのタイミングは多少ズレがあったようですが、ほぼ
計算値どおりの位置で夕立になっていましたが・・・
今日は?・・・下で検討します。
4、一般的な天気図の評
どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。
昨日までは
暖湿流と気温の上昇で雷雨・・・というストーリーでしたが、今日は
上空の寒気まで加わっています。
本当は、
上空の気圧の谷も迫っていることを加えようかな?と思ったのですが、それは明日のほうが・・・と思って省きました。
いずれにせよ、大気不安定・・・
夕立モードは強まっているということです。
5、今日の天気予報は当たるのか?
100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。
まず、
地上の気圧配置の骨格・・・上空の天気図から。
日本付近・・・
等高度線(等圧線と同じです)が
凸傾向から凹傾向に変化しているのがわかります?
凹(上空の気圧の谷:赤の天性)傾向は
天気悪化のサイン。
天気予報で
「上空の気圧の谷が通過するため」なんて、わかったようなわからないような解説がされることが多いですけど、
コレがそうです。
そして、この谷は
寒気を連れてきます。
上空の谷の西側は北西の風が吹いていて、大陸上空の冷たい空気を引きずりおろします。
だから、
西日本方面から-6℃以下の寒気が南下。
これだけでも十分に大気は不安定になるんですが・・・・
地上付近の暖湿気は?
相当温位342Kという
雨の原料としては十分すぎる暖湿流が西日本・東日本中心に流れ込んでいます。
相当温位は雨の原料、大気不安定の目安になるのですが、
湿度が高いほど、気温が高いほど、大きな数字になります。
関東付近、348Kという突出した数字になっていますけど、ここ数日の
猛暑日で空気が暖まっているんですね。
で・・・
地上に暖かく湿った空気、上空の強い寒気となれば・・・
雷雲が発生しないのがおかしいくらいですから・・・具体的な
雨の様子を・・・・
午後、東日本中心の夕立・・・と書き込んでありますけど、
西日本だって強い寒気が上空を覆ってきますから、ゲリラ豪雨・雷雨?があったって全然おかしくありません。
夕立の中心、
東日本は?
関東付近が特にスゴイですね・・・あきらかに
昨日以上。
長野県付近は・・・昨日同様、
県東部がメインですけど、
安全マージンをとれば、高い山中心にどこでも注意という感じですね。
エリアを
もっと詳しくチェックしてみましょう。
夕立が活発化しはじめる
午後3時の風の流れと降水のエリアの予想図ですけど、赤の点線部分・・
日本海の海風と太平洋からの海風がちょうどぶつかったり、合流したりするエリアが要注意。
長野県の場合、
気温上昇で低圧部(掃除機?)ができるので、海なし県でも海風が吹きこむんですよ。
17時20分追記:飛騨高山付近から松本方面への収束線を赤の点線で書き込み忘れていましたが、ものの見事にそこで夕立が発生しています。この見落としが恐い・・・・イイ教訓になりました。
気象レーダー:
http://www.jma.go.jp/jp/radnowc/index.html?areaCode=207
そして、昨日西北西だった
上空3000m付近の風は西風になって、雷雲を流します。
地上の
海風は夜になると弱まってくるので・・・
雷雲発生エリアが微妙に変化してきて・・・
上空の風とあいまって、雨の範囲が移動していくというストーリーが予想されます。
こんな予想をしてみましたけど、今のコンピューターの能力や、観測網では、
十分に計算しきれないのが夕立。
あくまで傾向だと思って、
安全マージンは広くとる必要があります。
ということで、ここ連日ですけど、
天気予報は当たるとしか言えません。
この週末・・・レジャーですか?・・・・イイですねぇ・・・Kasayanは仕事でごわす。
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(当ブログに引用の天気図等は、気象庁、WNIより使用許諾を得ています)
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