天気予報は当たるのか?(7月19日)海の日夕立雷雨注意
故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。久々の長野の天気に慣れるため、毎朝コツコツ天気予報の修行中。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?
1、今日の一言
太平洋高気圧が東日本へ突進?・・・今日はたぶん
今年一番の暑さになるでしょうね。
昨日も、山沿い中心に夕立がありましたけど、ちょっとだけ安定傾向に向かった空模様・・・
週末に向けて不安定傾向に逆戻り・・・ゲリラ豪雨・雷雨モードに戻りそうです。
昨晩、
週間予報の傾向をまとめておきましたので、夏山シーズン・レジャーの季節、
よかったら参考にしてみてください。(
週間予報を考える)
2、全国の予報
テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。
予報文の「雷」の文字の分布は見事に不安定エリアと一致します。
「雷」の字が書かれている傾向でエリア分けしてみました。
電話の177での原文の予報文・・・しっかり使えばヘタな
ピンポイント予報より役立ちます。
予報文原文:
http://www.imocwx.com/yohoud.htm
3、長野県の予報
長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。
県内、「雷」の文字はありませけど、
「所により」・・・・場所を特定しないで
「雨」が予想されています。
気温が
今年一番、34℃が予想されていますから、強い上昇気流発生・・・・当然、
雷が伴う可能性も視野に入れておきたいところです。
昨日朝の予報には「雨」の文字はありませんでしたから、予報官の頭の中では昨日より雨の可能性を高くイメージしているのかもしれません。
ちなみに
「夜のはじめ頃」は
18時~21時のこと。
予報文の「昼前」とか「夕方」というコトバもキチンと定義されていますから、覚えておけば3時間毎の時系列予報と同じです。
予報文の用語集:
http://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/kurashi/yoho.html
4、一般的な天気図の評
どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。
テレビやラジオの解説と同じだと思いますから特にコメントは・・・・・
梅雨明けだ!涼しい
北海道へ・・・とか、
沖縄へ!・・・なんて考えていると・・・
逆に雨に降られちゃうのもこの季節の傾向です。
5、今日の天気予報は当たるのか?
100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。
やっぱり
「夕立」が気になりますが、その
原因になる暑さの理由から・・・・
上空・・・
太平洋高気圧のアタマが東日本・西日本の上空へ。
高気圧の中心付近では、
赤道付近から北上してきた空気が下りてくるところ・・・
下降流域です。
フェーン現象で山から風が吹き下りる地域で乾燥した暑い風が吹きますけど、それと同様に、
上空から熱帯から来た空気が降りてきて、強い日差しとあいまって気温急上昇!!
日本にいながら赤道の空気を吸えるんだぜ!!なんて考えれば多少は・・・・・・・
で・・・・
どのように気温が上がるかといえば・・・・・
平野・・特に海風の入らない
内陸部は35℃以上の猛暑日。
長野県付近の
盆地も周辺の山肌が強い日差しを受けて気温上昇・・・34℃前後の予想です。
このように気温が上がれば、暖かい空気が上へ上へと上昇して、空気が薄くなるので
盆地が低圧部になります。
この傾向が強い
長野県にズームして見ると・・・・
県内はお約束のように
松本付近を中心にした低気圧(熱低気圧とかヒートローといいます)が発生。
空気が薄くなるので、松本の人が窒息しないように?
周辺から空気が流れ込むわけですが・・・・
アルプスの
山々を迂回し、乗り越え、盆地をすり抜けて流れ込む風・・・合流したり、ぶつかったり、山を乗り越えれば、
上昇気流になって・・・・膨張して気温が下がって
雲発生。
(上空で冷やされて雲発生じゃないですよ)
成長した雲は、標高3000mのアルプスの山々より
高い所を流れる風によって、お辞儀をするように
流されます。
今日は
南西の風に乗って、北東方向へ流されそうです。
で・・・
雨の様子は・・・・・
沖縄付近の
熱帯低気圧(台風にはならずにすみそうですが・・?)による
加速も加わって、
西日本方面から日本海を回って北海道方面に湿った空気が流れているんですが、
西日本の南の海上では、小さなスコールのような雨雲まで予想されています。
トロピカルだぜ・・・・・
そして、
中部地方はというと、
昨日もそうだったんですけど、雲の発生の計算値(雲量)については、比較的実況と一致するんですけど、
降水についてはエリアの狭い短時間の雨ということもあって、イマイチ計算と一致していません。
そもそも、雷雲は計算のための格子よりも
小さいスケールの現象ですから、うまく計算されないのも当然。
上の
雲のエリアのほうを優先して夕立のエリアをイメージするのがよいと思います。
ということで、
今日の予報も当たりだと思います。
水の事故の話もこの季節に多くなりますけど、
雷の事故が多いのもこの季節。
聖職の碑なんて話を思い出しますが、つきなみの言葉・・・・
早めの避難、心がけて・・・・
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(当ブログに引用の天気図等は、気象庁、WNIより使用許諾を得ています)
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