天気予報は当たるのか?(6月15日)降り出しがアヤシイ?
故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?
1、今日の一言
朝になればわかるんだから・・・・・と思いつつも、
TVのスイッチを入れてしまったのが寝不足のモト。
ワールドカップ・・・・
サッカー・・・見ちゃったんですよね。
ボケた頭で更新がちょっと遅くなっちゃいました・・・・
昨日、関東甲信・東北南部が梅雨入りしましたけど、
東日本はポッカリとあいた雲の穴の中。
早くも
梅雨の中休み?なんて感じの衛星画像ですけど・・・・・
梅雨前線、南岸にヘビのように停滞していますけど、
九州付近の前線上の低気圧と関東沖の低気圧にはさまれたエリア・・・ちょっと
活動が弱くなっているようです。
九州付近の低気圧が進んでくれば、東日本も再び雨になりそうですね。
そうそう・・・話は変わりますが・・・昨日は長野県も梅雨入りでしたから、パソコンにつけたワンセグチューナーで
ローカルの天気予報を録画して、チェックしてみました。
一局・・・・
SBCだけが「待望の雨が降りましたけど、どれだけ雨が降るか?心配になります」と言って、ちょっと古い情報ですけど、
一か月予報の内容を伝えていました。
野菜や果物の病気と関係してくる降水の予想をタイムリーに伝えようとする姿勢・・・さすが
老舗。
系列TBSからの森田氏の解説を尊重しすぎたのか、夕方の天気予報で全く天気図を使った解説が無いのが???ですけど・・・・
2、全国の予報
テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。
今日も
予報文に「雨」の文字があるか無いかで大ざっぱにエリア分けしてみました。
梅雨の中休み?の
東日本には太陽マークまでついていますが、
「のち雨」マークになっています。
中休み?は短め。
「のち」のタイミングが今日のチェックポイントですね。
3、長野県の予報
長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。
予報文を読む限り、
県内の「のち」のタイミングは「夜」。
用語集で「夜」は18時以降ですから、
帰宅時間頃と重なります。
ここは詳しく見ておきましょう。
もう一点・・・
今朝の長野市内はすでに青空と初夏の太陽が顔を出していますが、
予想気温は30℃前後。
県内全域で
「南風」が予想されていますが、湿った空気と日差しで・・・ちょっと
ムシムシの暑さになるかも・・・・
と・・・・ここまで書いたところで、
予報訂正を発見!
午前6時に長野地方気象台は、県内全域で
「くもり 夜 雨」に予報を
訂正してきました。
予報官・・・迷ってる・・・・(サッカー見て寝不足?)
訂正が吉と出るか凶と出るか・・・・最初のインスピレーションを修正すると失敗することが多いのですが・・・・・
いずれにしても、降り出しは「夜」になってますね。
4、一般的な天気図の評
どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。
九州付近にできた前線上の低気圧が、発達しながら今夜は
四国付近まで。
それにともなって、
梅雨前線もゆっくり北上。
低気圧に
南の湿った空気が吸い上げられて・・・・
雨が活発・・・という流れ。
低気圧の進み方と発達次第で雨の降りだしや強さの予想があやしくなってきます。
5、今日の天気予報は当たるのか?
100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。
梅雨前線が北上して活発化する仕組み・・・梅雨の始まりですから、一応
高層天気図でチェックしときます。
朝鮮半島付近に上空の低気圧がありますが、この低気圧は上空の強い流れ(水色矢印)から切り離された
寒気を伴った空気の渦。
流れから切り離されているので、
動きが遅いというのが特徴・・・・
地上の天気変化もゆっくりになります。
この低気圧の周辺を流れる強い流れが大陸の冷たい空気を運んでくるのですが、反対に
台湾付近にも北東方向に流れる強い流れがあって(赤の矢印)、太平洋の
湿った暖かい空気を日本南岸に運んできます。
この二つの流れが
ぶつかるのが西日本付近。
赤の矢印に沿って前線が活発化・・・さらに
上空の気圧の谷が近づいて・・・・
前線上の地上の低気圧も活発化・・・ということになりそうです。
南から運ばれてくる
湿った空気が雨の原料・・・雨雲の活発化を裏付けるために
湿った暖かい空気の様子も確認。
朝のうち・・・梅雨中休みの東日本にはそれほど暖湿流が流れ込んでいませんけど(今朝は過ごしやすいですよね)、
夜にかけて東北北部まで南風が湿った空気を運びこむようです。
梅雨の雨の活発化のフォーメーションが整っていることがわかったところで、例によって
具体的な雨の様子。
西からやってくる降水域・・・
ゆっくりですけど、しっかりと
まとまってくるようです。
そして
長野県付近へ・・・・
MSMという計算値では
昼頃から県西部に雨雲がかかりはじめて、
午後6時頃には全域に拡大。
この計算値を尊重するなら、予報のように「夜」じゃなくて
遅くとも午後3時(用語では「夕方から」)雨にしてもよいように思うのですが・・・・・
昨日の記事で使った
短期予報解説資料というプロ用の資料を見てみると・・・・
「低気圧の位置については、モデルよりも南にシフトさせ、南岸を進むシナリオで組み立てたが、イニシャル変りがあり予想やや不確実であることに留意。」なんて書かれています。
ようは、
観測値に基づいて計算するたびに、低気圧の予想進路が変化してしまうっていうことです。
予報官は、
計算値を修正して低気圧の進むコースを南よりに変えて予報を考えているんですね。
また、
「GSM の大雨ガイダンスは過大で、前初期値、MSM 参考に割引くことを検討。」なんて書いてありますから、統計的処理をした
雨の予想についても修正をかけています。
今日の予報・・・・
5時に発表した予報を6時には即修正しているし・・・・
計算値もかなり修正しているようですけど・・・・Kasayan的には今日の
最新のMSM・・・実況にかなり忠実だと思うんですけど・・・・
安全マージンをとって、
「夜」じゃなくて「夕方」から雨で考えたいと思います。
特に県の西部、南部では・・・・
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