天気予報は当たるのか?(6月14日)今日にも梅雨入り?
故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?
1、今日の一言
昨日、
中国・四国・近畿・東海・北陸で梅雨入りの発表がありましたけど、
今日は関東甲信も?・・・なんて話がニュースや天気予報で流れるんでしょうね。
今日梅雨入りしたら、
平年の6月8日より約1週間の遅れということになりますけど、梅雨入りの細かなウンチクはテレビの天気予報の前フリのコメントでたくさん聞かれそうなので・・・・・
知らない人にはなんじゃこりゃ?でしょうけど、これ
西立川駅の発車メロディ・・・
松任谷由実の
「雨のステイション」という曲。
発車メロディだけに短めなんで、いきなり聞くと・・・・ちょっと物足りないんですけど・・・・
西立川駅がこの曲のモデルになった駅だということのようですが、
今日の駅のホームはこのメロディがピッタリの雨模様でしょう。
15時20分追記:
ちょっと遅くなりましたけど、気象庁発表の「梅雨の時期に関する関東甲信地方気象情報 第1号」が発表されています。ようは梅雨入りの発表ってやつですが、だいたい昼にニュースに間に合うように、午前中に発表されるんですよね。以下本文
梅雨の時期に関する関東甲信地方気象情報 第1号
平成22年6月14日11時00分 気象庁発表
■見出し
関東甲信地方は、梅雨入りしたと見られます。
■本文
関東甲信地方は、気圧の谷や梅雨前線の影響で全般に曇りや雨となっています。
向こう一週間も、気圧の谷や梅雨前線の影響で、曇りや雨の日が多い見込みです。
このため、関東甲信地方は6月14日ごろに梅雨入りしたと見られます。
■参考事項
1.平年の梅雨入り:6月8日ごろ
2.昨年の梅雨入り:6月3日ごろ
■注意事項
・梅雨は季節現象であり、その入りと明けには平均的に5日程度の「移り変わり」の期間があります。
・梅雨の時期に関する気象情報は、現在までの天候経過と1週間先までの見通しをもとに発表する情報です。後日、春から夏にかけての実際の天候経過を考慮した検討を行い、その結果、本情報で発表した期日が変更となる場合があります。
2、全国の予報
テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。
東北北部はくもりマークですけど、予報文には「雨」の文字。
津軽海峡を隔てて、天気が二分されています。
北海道のライラックを思い出して、こんなエリア分けにしちゃいました。
3、長野県の予報
長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。
初夏の日差しがなくなり、
昨日より気温急降下の長野県。
雲マークが左側にあるので、
曇りの時間のほうが長い・・・曇りベースの予報ということになりますが、
ぐずつくという表現がピッタリでしょう。
4、一般的な天気図の評
どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。
今朝
午前3時の実況天気図と午後9時の予想天気図を並べてみました。
南海上の
梅雨前線の折れ曲がり(キンクといいます)が関東沖を
北東進する程度で、天気図に大きな変化はありません。
梅雨入り初日に「なるかもしれない」今日は、いつもの天気図のアニメはお休みして、
「短期予報解説資料」という気象庁が
プロ用に発表している、
予報作成の指針を簡単にまとめておくことにしました。
言葉の使い方が専門的で「こりゃわからん」と思ってしまうかもしれませんが、
わかる言葉だけ斜め読みするだけで、テレビの天気予報の解説なんかよりずーっと参考になるので、ぜひ読んでみてください。
5、短期予報解説資料
斜め読みでも役立つはず。お試しを!
茶色の文字が短期予報解説資料の
内容。
対応する
図の中にも同じコメントを書きこんでありますから、図で確認して見てください。
今日は比較的簡単に書かれているので、今日から明日にかけての
気象庁の空模様の考え方がわかると思います。
くりかえしますが、
わかる言葉だけで十分です。
まずは、
実況・・・・予報を作るにあたって、
今どうなっているの?ということを予報官がまとめています。
どのあたり?で、どの程度?雨が降っているのか?ということが読み取れればOKです。
1.実況上の着目点
①低気圧が九州の西海上にあってゆっくり東進している。
九州・四国では、エコーが散在し、1時間10 ミリ前後の降水を観測。
②前線は日本の南海上にあり、北にのびる降水域が東日本・東北南部に広くかかり、1 時間10ミリ前後の降水を観測。衛星画像では、東海沖や沖縄の南海上で発達した対流雲がみられ、発雷している。沖縄地方や伊豆諸島は、今後の対流雲の動向に留意。
次は、
予想・・・・上の実況で見た
雨の様子や原因が、これからどうなるの?ということが読み取れればあなたもお天気キャスター。
336Kとか339Kなんて数字が書かれていますが、この数字が大きいほど、
雨の原料がたっぷりの暖かい湿った空気だよ・・・ということになります。
また、
FT12とかFT24という数字は、予想している時間・・・図の中にFT24=14日21時・・・などと
対応する日本時間を書きこんでおきました。
こちらも
対応する図でコメントの内容を確認して見てください。
2.主要じょう乱の予想根拠と解説上の留意点
①1 項①の低気圧は、FT12 以降は不明瞭化する見込み。西日本では、今日は850hPa で336K の暖湿気が残りやや不安定、500hPa 正渦度の通過するため局地的に対流雲が発達する可能性がある。
雷、突風に注意。
②日本の南海上の前線は、これからFT24 頃にかけて伊豆諸島付近を北上し、FT48 には三陸沖まで北上する見込み。
小笠原諸島・伊豆諸島では、雷を伴い1 時間30 ミリの短時間強雨、落雷、突風のおそれがある。対流雲の動向に留意。
また、西日本・東日本の太平洋側では、今夜にかけて気圧の傾きが大きく、東~南東風が強い(W 級)。強風や高波(3~4m)に注意。
③沖縄付近では、FT24 頃にかけて前線が停滞、暖湿気(850hPa339K 以上)が流入し、前線活動が活発化する見込み。雷を伴い1 時間30-50mm の短時間強雨のおそれがある。対流雲の動向に留意。
④500hPa5820m のトラフに対応し、FT36 頃に九州の西海上に前線のキンクが北上、FT48 には西日本の南岸で低気圧が発生する見込み。暖湿気が流入し不安定となるため、九州や四国太平洋側では、雷を伴い1 時間30-50mm の短時間強雨のおそれがある。
太平洋側では、南または南東風が吹きつける所で雨量が多くなる見込み。低地の浸水や土砂災害、河川の増水やはん濫に警戒・注意。
今日は、長野県にズームした降水の計算値を掲載するのはやめました。
ホントにぐずつくというイメージにピッタリで、
いつやみ間があって、いつ降るかということを細かく検討してもあまり意味がなさそうだから・・・
外出には雨が降っていなくても折り畳みの傘を持つなり、濡れる覚悟をするなり?・・・・するのが吉だと思います。
ということで、
今日の予報は当たる・・・・です。
どうでした?・・・
今日は、ちょっと難しかったかもしれませんけど、わかるところだけでイイんです。
行事があったりして、
天気予報がすごく気になる!というときには是非読んでみてください。
予報官の悩みどころなんかも読み取れてとても参考になるはずです。
ちなみに今日使った
「短期予報解説資料」は以下のURLのページで見ることができます。
(ちょっと重めのページです)
何時発表されたものか?を必ず確認して使うようにしてください。
http://www.argos-net.co.jp/awc/fx_top.php
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