天気予報は当たるのか?(6月8日)はっきりしない天気
故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?
1、今日の一言
この図、
短期予報解説資料といって、気象庁が予報を出すにあたって、
このように天気図を解析しましたという理由を簡単にまとめた資料に添付されている図です。
中国大陸に「FT24頃顕在化」と書かれている停滞前線がありますが、これがにわかに天気予報の
週間予報で話が盛り上がりつつある梅雨前線。
週末にかけて日本付近に接近しそうなので、
「梅雨入り間近か?」なんて話題になっているんですけど・・・・
このブログでは
この図の下に書いてあったフレーズに着目・・・・・・
寒冷渦による降水域や降水量の予想は、GSM とMSM で微妙に異なっており、これまでの実況からはどちらが優位とも言い難い。
寒冷渦の東~南東象限にあたる、西・東日本では、両モデル、前イニシャル等を参考に、8 日は広い範囲で降水の可能性があるものとして考えたい。
なんとも、心もとない表現ですよね。
昨日のこのブログの記事にもGSMとMSM両方の降水の予測を掲載しましたが、二つのシュミレーションプログラムの計算値が異なり、なんとも情けない判断になっちゃいましたけど、
気象庁も悩んでます。
ということは・・・・
天気予報を見るときには安全マージンをとっておくのが吉ということですね。
良い方向に実況が変化したら?・・・ハズレじゃなくてラッキーと思いましょう・・・・・
2、全国の予報
テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。
北と南に太陽マークがありますけど、
西日本・東日本は雲マーク中心。
関東に傘マークがありますけど、細かく見ていくと、
太平洋岸に傘マークが散在しています。
南ほど天気が崩れる傾向です。
3、長野県の予報
長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。
南部は「朝から」、中部は「昼前から」、北部は「昼過ぎから」・・・・南から順番に
雨模様。
もっとも県内全域に
「所により」がついていて、なんだかあいまい。
短期予報解説資料に書いてあった「広い範囲で降水の可能性があるものとして考えたい」を考慮しているなら、
「所により」は広めに考えておいたほうがよさそうです。
もちろん、不安要素はあっても計算値はキチンとチェックします。
ちなみに、
予報用語で「朝」は6時~9時、「昼前」は9時~12時、「昼過ぎ」は12時~15時を意味します。
4、一般的な天気図の評
どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。
昨日同様、
南岸の低気圧と前線の影響+上空の寒気の渦がぐずつく原因。
先週の計算値と比べて低気圧の位置が若干南よりになったので、強い雨の影響はなくなって南岸ほどぐずつくという傾向になっています。
5、今日の天気予報は当たるのか?
100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。
まず、雨の原因の一つ、
南の低気圧と前線の様子。
特に湿った暖かい空気(雨の原料)は赤の線のところ・・・・温暖前線のちょっと北側の
南岸までしか北上してきていません。
湿気は多くなってきますけど、太平洋岸でも気温が高くてムシムシという感じにはならず、東よりの涼しい風が入って肌寒く感じるかも?
続いて、もう一つの雨の原因・・
上空の寒気。
-12℃の寒気がブチッとちぎれて塊になって
日本海を東進。
この
寒気がフワフワと漂っているので、風船を捕まえにくいように
計算値も定まりにくくなっています。
寒気が入ってくれば大気は不安定になりますが、今日地上付近は雲に覆われ、気温上昇も少ないので、雷が鳴ってドバッという感じにはなりにくいでしょう。
で・・・
具体的にどう雨が降るのよ?ですが・・・
午後9時の12時間降水量では、
青の線の内側が雨の可能性があるエリア。
この範囲が
ぐずつきエリアで、一つ内側の黒の点線部分がぐずつくというよりはしっかりした雨というイメージになると思います。
大ざっぱに見ておいたので・・・・
6時間毎のいつものMSMの計算値。
結局、天気マークのぐずつきエリアでは、
一日「ぐずつく」としかいいようがありません。
もちろん、
南ほど・・・ですけど。
今日の天気予報、キチンと
「所により雨」がついていますから
当たると思いますが、
雨の降りだしは多少ズレる可能性は見ておきたいところ。
北部では「昼過ぎから」になっていますけど、
出かけるなら空振り覚悟で折り畳み傘持参がおすすめでしょう。
最後に
今日の空気の流れの様子をオマケにつけておきます。
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