天気予報は当たるのか?(5月16日)
故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?
1、今日の一言
今朝は寒さをあまり感じませんでしたよね?
昨日の朝より6~7℃前後も高い所が多いようですから、
今朝は霜の心配も解消といったところでしょう。
ただ、
今度は・・・・気温高すぎ?の心配が出ています。
14日発表ですからちょっと古くなっちゃってますけど、
「高温に関する異常天候早期警戒情報」なんて仰々しいタイトルの情報が気象庁から発表されています。
内容を読んでみると・・・・・・
高温に関する異常天候早期警戒情報(関東甲信地方)
平成22年5月14日14時30分気象庁 地球環境・海洋部 発表
要早期警戒
警戒期間 5月19日頃からの約1週間
対象地域 関東甲信地方
警戒事項 かなりの高温(7日平均地域平年差+1.9℃以上)
確率 30%以上
今回の検討対象期間(5月19日から5月28日まで)において、関東甲信地方では、5月19日頃からの1週間は、気温が平年よりかなり高くなる確率が30%以上となっています。
農作物の管理等に注意して下さい。また、今後の気象情報に注意して下さい。
・・・なんて書かれています。
18日頃になったらこのブログでも詳しくチェックしてみますね。
2、全国の予報
テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。
今日も
「全国的に」モードなので、エリア分けしませんでした。
ところどころ、「のち 晴れ」とか「のち くもり」マークも混在していますけど、基本的には
「全国的に初夏の行楽日和」っていうヤツですね。
3、長野県の予報
長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。
天気マークをザッと見る限り、こちらも「全国的に初夏の行楽日和」の中に含まれそうです。
太陽マークが左側にある
晴れベース。
予報文は「時々くもり」になっていますが、「所により 雨」なんてヤボなものはついていません。
気温も初夏という感じですよね。
ただ・・・・寒気がゆっくりと抜けて急に気温が上がると・・・・
モクモクのにわか雨の雲が湧くんじゃないの?なんて気になります。
昨日の計算値では、寒気の中心は抜けても、
弱い寒気が今日の日中通過することになっていました。
重箱のスミをつついて予報の安全マージンを考えるのがこのブログのコンセプトですから、一応確認はしておきます。
4、一般的な天気図の評
どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。
高気圧に覆われて暖気が流れ込みやすい状態になって気温上昇・・・はイイとして、問題は
弱い寒気が東日本・北日本上空を通過すること。
「にわか雨の可能性?」とクエスチョンマークをつけていますが、気象庁も今日は気にしているようで、
短期予報解説資料というプロ用の資料には
「高気圧に覆われて沈降場で下層の湿りは少ないことから広い範囲での対流雲の発達はないが、東日本の山沿いでは局地的に対流雲が発達するおそれがある。今後の動向に留意。」なんて書かれています。
山沿いどころか
山ばかりの長野県・・・・どうなんでしょう?
5、今日の天気予報は当たるのか?
100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。
ということで・・・・
今日のチェックポイントは、「東日本の山沿い」の「局地的な対流雲」=雷雲発生の可能性になります。
まず、その
原因になる上空の寒気の様子。
上空の気圧の谷と-18℃のやや弱い寒気が、今朝の計算値でも通過することになっています。
気象庁の読みのようにホントに
影響は少ないの?
ということで、
地上付近の暖湿流の様子を確認。
水色が濃いほど暖かく湿った空気があるわけですが、日本付近は乾燥した大陸の空気をもった移動性高気圧に覆われていて
乾燥・・・・さらに
高気圧は下降流の場ですから、上昇流によって発達するにわか雨の発生には不利?な条件になっていることは確かです。
ただ、
東日本・西日本の南岸は南よりの風になって、
湿った暖かい空気がちょっとだけ流れ込んでくるようです。
また、高気圧に覆われて下降流の場になったとしても、
日差しで気温が上がれば局所的に上昇流は発生します。
で・・・・
気温の様子ですが・・・・・
長野県付近でも
盆地や関東平野の内陸部では周辺より気温上昇。
気温のムラができると、気温が高いところには
上昇流が発生して、
風の流れや風がぶつかるところができます。
そこで、
風の流れの様子と雲量、そして降水の計算値をまとめてみると・・・・
山梨県と長野県の県境付近、野辺山や八ヶ岳方面に
雲と降水が計算されています。
そして、そのあたりに
南の風と西の風が集まっています。
集まった風は行き場がなくなって
上昇・・・・
雲が発生・・・ですね。
雷も発生するの?ということで、大気の安定度を示すSSIという指数をみると・・・
安定度が悪い網目の部分でも
特に不安定なのがやっぱり山梨県との県境付近。
雷が発生しない「とは言えない」(この言い回し・・・ごめんなさい)状況。
ここまでのチェックは、重箱のスミを突くようなものなので・・・だから気をつけろ!ということではありませんけど、
八ヶ岳方面の高原で行楽という方はモクモクした雲が湧かないか?時々空を見上げてみてください。
一応、
甲府地方気象台発表の概況には
「午後は、山沿いを中心に、にわか雨の降る所がある見込みです」とは書かれていますから・・・・・
でも・・・
今日の予報は当たる・・・・です。
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