天気予報は当たるのか?(3月31日)
故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?
1、今日の一言
今朝の
長野県内は氷点下の所が多くなっていますが、冷え込みも今朝まで。
日中は10℃を超えて、
暖かい花曇りになりそうです。
今朝の衛星画像ですが、
西日本に雨雲がかかっていますが、東日本には薄っすらと低い雲。
右側の画像は可視画像といって、衛星に人が乗っていたらこう見えるだろうな・・・という画像。
6時半で東日本付近まで夜が明けてきています。
日の出もずいぶん早くなってきました。
三月も今日で終わり・・・Kasayanの30年ぶりの長野の越冬?も終わり。
長野県の冬の天気・・・ずいぶん勉強になりました。
16時30分追記
今日、長野地方気象台から春の便りが発表されています。桜の開花だけが春の便りではありません。
■場所:長野県 長野
■内容:椿開花
■平年比:15日早い
■昨年比:04日早い
■備考:モトヨシチヨウ
■場所:長野県 長野
■内容:唐松発芽
■平年比:11日早い
■昨年比:01日早い
■場所:長野県 長野
■内容:しだれ柳発芽
■平年比:02日早い
■昨年比:12日遅い
■備考:シナイハコシミズ
2、全国の予報
テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。
西日本に太陽マークはありません。
九州方面には傘マークも。
西から下り坂に向かうことを想像させます。
東日本・北日本も太陽マークはあるものの、ほとんどが雲マークとセット。
ゆっくりと下り坂なんですね。
西日本の概況を読むと
「気圧の谷や湿った空気の影響」と書かれています。
東日本の概況は
「高気圧の中心が日本の東に移動し、上空の気圧の谷が接近する見込みです」。
北日本は・・・
「高気圧が関東の東海上へ移動し、気圧の谷が接近」とか
「日本海北部には気圧の谷があって、北海道付近は気圧の傾きが急になって
います」と書かれています。
様々な見方があるんですね・・・・概況のイメージと天気マークのイメージを天気図に照らし合わせると、天気変化が多角的に見えてきます。
3、長野県の予報
長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。
県内は
「のち くもり」マーク。
予報文を読むと「のち」のタイミングは
「昼過ぎ」。
マークにはありませんけど、
中南部では「所により 夕方 から 雨」なんて書かれています。
昼過ぎの曇りはよいとしても、
「所により」と「夕方」の場所と時間はチェックしておく必要がありそうですね。
4、一般的な天気図の評
どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。
高気圧の後ろになれば
南から湿った空気が流れ込む・・・・これから梅雨にかけてしばしば登場する天気解説のパターンです。
高気圧の動きが遅いので、今日の段階ではそれほど湿った空気が流れ込みませんけど、明日になると北日本まで流れ込んで・・・
明日は本格的に天気が崩れてしまいそう。
今日の間に外仕事は終えてしまいたいところですね。
5、今日の天気予報は当たるのか?
100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。
今日の下り坂の原因・・・西日本の概況にあった
「湿った空気の影響」を天気図でチェック。
特に湿った空気は
今夜の段階で九州付近まで。
湿った空気の先端は中部地方までやってきますから、全般に気温は上がりますけど、
本格的な雨の心配は九州付近ということになりそうです。
夜には大陸に前線ができるようですが、これが
明日日本海へと進んで明日の雨に影響しそうです。
で・・・・次は東日本の概況にあった
「上空の気圧の谷が接近」の様子をチェック。
午後から
上空5400m付近の気圧の谷・・・赤の点線部分・・・がやってきます。
この谷に対応する
地上付近では雲の活動が活発になりますから、湿った空気の本体がまだ九州付近にあっても雨雲が発達しやすくなります。
午後、この気圧の谷が通過するタイミングで近畿地方をジャンプして
東日本付近でも雨の心配がでてきます。
ということで・・・雨の原因をチェックしたところで
具体的な雨の降り方をチェックしましょう。
午後3時頃が長野県に降水が計算され始めるタイミング。
南西の湿った風が当たり上昇する
北アルプス中心に降水が計算されています。
ちょうどこのタイミング・・・上で見た
上空の気圧の谷が県内上空に迫ってくる頃と一致しますよね。
そして、
夜9時の降水。
南部にも降水が拡大していますが、
アルプス中心の雨。
湿った空気が上昇する高い山が中心ですが、これらの雨雲が
盆地に流れ込めば雨になります。
結局、
午後3時以降は、山中心とはいえ県内全域ポツリポツリという可能性はありそうです。
降水確率としては低めに発表されていますけど、Kasayanなら
念のため折り畳みの傘は持っていこうかと考えます。
で・・・
今日の予報・・・
「所により」は高い山の南西斜面付近を指していると思われます。
また、
「夕方から」は用語集によると
15時以降を指しますから、まさに上でみた降水が計算されるタイミングと一致します。
中南部の予報は当たる・・・でよいでしょうね。
もっとも、
北部の予報文には「所により雨」がないんですよね。
北アルプスが湿った空気をブロックして、北部を平均的にみると「所による雨」にするほどではないと考えた結果だとはおもいますが・・・計算値を見る限り
大町や白馬方面では降ってもおかしくないですよね。
このあたりを理解していれば
北部の予報も当たるということですが・・・・微妙なところですね。
北部でも
雨じゃ困るという方は悪目に考えておいたほうが良いでしょう。
16時30分追記
白馬・大町や安曇野方面では午後になって雨が降りだしています。
北部でも「所により 雨」があっても良かったのではないかと思うのですが・・・・どうなんでしょう?
17時40分追記
17時発表の北部の予報は・・・・・・
長野県 31日17時
北部
今夜 南の風 くもり 所により 夜のはじめ頃 まで 雨
になりました。たぶん気象台はガイダンスという統計的な情報を優先して検討した結果、当初北部に 雨を予想していなかったんだと思います。なんで、「所により」を付けないことにこだわったのか?長野の天気傾向の秘密が隠されているようで気になるんです・・・。
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