天気予報は当たるのか?(2月19日)
故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?
1、今日の一言
今朝の衛星画像を見ると、
日本の南に長い雲の帯が見えています。
この雲の
北側は冬ですが、南側は春。
雲の帯が
北上して日本の上空にかかるようになると
菜種梅雨の季節です。
午前6時の菅平。
つい先日までは夜景しか見えませんでしたが、今朝は
薄っすらとオレンジに染まっています。
もう2月の後半・・・・この
週末は、
春を探しに出かけたいと思います。
2、全国の予報
テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。
まだまだ冬の日本。
日本海側と太平洋側に二分された
冬の天気分布です。
3、長野県の予報
長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。
県内も同じく
冬の天気分布。
もっとも、
北部は「昼過ぎ 一時 雪」、
中南部でも「昼過ぎ から 夕方 雪」になっています。
昨日も、日本海の低気圧の影響で同じ時間帯に雪が舞ったりしましたが、今日は
何が原因で雪が降るんでしょうか?また昨日よりもっと降るんでしょうか?
4、一般的な天気図の評
どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。
アニメの中には、今日午後に降る
雪の原因・・・・
寒気と上空の気圧の谷の様子を書きこんでありますが、
単に天気図だけ見たら、なんで午後に雪が降るのかよくわかりませんよね?
県内ローカルの天気予報(特に民放)では、天気図への書き込みをほとんど見たことがありませんが、関東の放送局では当たり前のように行われています。
CG作成の手間や企画がメンドウですから、少ない人員で行うのは大変なことですが、
ちょっと残念です。
5、今日の天気予報は当たるのか?
100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。
まずは、雪雲を発達させる
寒気の様子から。
9時と21時の寒気の様子を見比べると
寒気のピークの部分が日中長野県を通過していくことがわかります。
この
寒気が通過するタイミングで雪雲が元気いっぱいになるわけです。
そこで、予報文にあった
「昼過ぎ から 夕方」の降水の様子をチェックしてみると・・・
本当に
昼過ぎから降水のエリアが急拡大して、
午後3時頃にピークになっています。
また、気象庁の見立てでは最大40センチ降る可能性がある北陸との境目・・・
新潟富山県境ではそこそこの積雪になるかもしれませんね。
もうちょっと
具体的にどこで降るのかもチェック。
雪雲を日本海から運んでくる風の様子を見ると、
北アルプスを南北に迂回するように流れ込むことがわかります。
昨日より県内奥深くまで流れ込む感じ。
このため、
南部でも「一時 雪」になるんですね。
特に木曽地方では一時的に雪で空が白くなるなんてこともあるかもしれません。
最後にもう一つ、雪雲の活動にパワーを与える
上空の気圧の谷が県内を通過する様子も確認しておきましょう。
今朝の
長野地方気象台発表の概況には、「今日は、日本付近は冬型の気圧配置が続きますが、
上空の気圧の谷が日中に通過する見込みです。このため、晴れ時々曇りで・・・」なんて書かれています。
朝のNHKラジオのローカルの天気予報では、この
概況を読み上げているだけですから、これじゃなんのことだか
よくわかりませんよね。
東西の細い線は上空の天気図の等圧線と思っていただいて結構です。
そして
線が凹になっているところが
上空の気圧の谷。
ちょうど降水が拡大する
午後3時ころに県内上空を上空の谷が通過していきます。
さて、今日の天気予報・・・
大ハズレした場合の
別のシナリオになる理由が思いつきません。
雪の降りだしのタイミングが多少ずれることもあるでしょうが、重箱のスミを突き過ぎ。
今日の天気予報も当たると考えます。
今日は上層雲がなく、
薄い中層雲と雪雲だけが青空を隠しますから、
ちょっと白っぽい青空が隠れると太陽が透けて見えるのに雪がチラチラ・・・というイメージになるところが多いと思いんじゃないでしょうか。
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