故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?
1、今日の一言
このブログでは、毎日たくさんの図を使っています。
毎朝、天気図のチェック(気象解析というほど綿密じゃないので)をしながら図を作ることで、その日の
天気のチェックポイントを頭の中で絞り込むトレーニングをしているのですが、図をそのまま放置しておくのももったいないので、
「テレビの天気予報のセカンドオピニオン」になればと思って、できるだけ多くの図を恥を捨てて公開することにしたからです。
(気象庁広報や気象会社に使用許諾までもらいました)
ただ、当初は図が多くなると、
読み手の方が混乱するのではないか?とも考えました。
確かに、
テレビやラジオの天気予報では、情報を盛り込みすぎるとかえって分かりにくくなりますから、可能な限り内容を絞り込んで番組を作ります。
でも、
ブログは文字を読んだり図や写真を見たりする媒体です。読み手の方が
必要な部分だけを選んで読み飛ばすことが可能です。
また、インターネットでは、単にいつもの天気予報を見るという目的でアクセスするだけではなく、大雪が降るときには「予想降雪量」などという
必要なキーワードで検索してアクセスするわけですから、開いたページには必要な情報が選択できるほど掲載されているほうが良いわけです。
ですから、たくさんの図を並べても、読んでくださる方が
目的に応じて必要な図を選んで見ていただけると考えて、あえて過剰なほどの図を掲載することにしました。
ただ、多くの図を並べるなら、図の
目次のようなものが必要になってきます。
そのために掲載しているのが
天気図のアニメです。
まあ・・・・そんな目で、このブログ・・・
読み流してみてください。
2、全国の予報
テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。
天気マークの並びの傾向だけ見てエリア分けすると、なんだか複雑に見えますが、基本的には日本海側と太平洋側に二分される
冬型の天気分布と同じです。
ただ、冬型の天気分布では太平洋側が晴れエリアになるのですが、今日は
関東付近と四国付近が「のち」下り坂エリアになっているわけです。
このうち、四国方面はマークに傘はありませんけど、
関東付近では傘が表示されています。
関東付近には、
天気を特に悪くする何か?があるということですね。
関東に隣接する長野県・・・せっかくの週末に、この何か?が影響してこないか?が心配です。
3、長野県の予報
長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。
幸い県内の天気マーク・・・・
北部は曇りベースですが、太陽マークもセットになっています。
また、
中南部では、晴れベース。
長野地方気象台では、マークに表現するほど天気の悪化はないと踏んでいるようです。
ただ、予報文を読んでみると、
北部では
「所により 夕方から 雪」。
新潟県の雪マークが影響する場所・・・たぶん
新潟県境付近で雪を想定しているようです。
じゃあ、
関東や山梨の雪マークの影響は?
南部では
「朝晩 くもり」の予報ですが、「晩」の部分ですね。
この点、雪になると大騒ぎになる関東で本当に雪になるの?ということも含めて一応確認しておいたようがよさそうです。
4、一般的な天気図の評
どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。
高気圧に覆われて晴れるけど、良く見れば
西高東低の気圧配置・・・冬型と言い切るほど西の高気圧と東の低気圧の勢力バランスがとれているわけじゃありませんけど・・・・・。
このために、天気分布の
基本は冬型の天気分布。
ただ、二か所、
弱い気圧の谷が発生します。
高気圧と高気圧にはさまれた所・・・そして、
等圧線が地図上の沢の等高線のように
折れ曲がっているところです。
このエリアでは雲が発生しやすいので、
二つの下り坂エリアができるわけです。
県内の天気に影響しそうなのは、
関東付近の弱い気圧の谷ということになります。
5、今日の天気予報は当たるのか?
100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。
今夜東日本には、地上の弱い気圧の谷や低気圧にパワーを与える
「上空の気圧の谷」がやってきます。
こいつが
接近してくる夕方あたりから、
関東付近の弱い気圧の谷が元気になり始めます。
そこで、一日の降水の計算値をちょこちょことチェックして、
県内で一番降水が多そうな時間が午後4時前後。
午後4時の
降水量の予測がコレです。
まず、
北部の新潟県境付近に弱い降水が計算されていますが、これはアニメで見た寒気によって発生した
雪雲がかかってくることを意味しています。
弱い降水ですから、大雪というほどではなく、
チラチラ程度で済みそうです。
一方、
野辺山付近。
それほど多くはありませんけど、一応青で示されるまとまった降水が計算されています。
例の
弱い気圧の谷による降水。
まとまってた降水といっても、
時間的にも量的にもたいしたものではありませんから、雪になっても
最悪薄っすら程度と考えられます。
で・・・・
雪になるのか?ですが・・・・・
弱い気圧の谷に吹きこむ風の影響で、山梨県付近を中心に上空1500mの気温-5℃の線が北上していますけど、
0℃の線ははるか南海上まで南下しています。
基本的に落ちてくるものは雪になるはずです。
標高の高い長野県・・・それも
野辺山や八ヶ岳方面ではまず雪でしょう。
ただ、
関東地方・・・
東京の予想最高気温は5℃。
地上付近には比較的
温度高めの空気が残っていて、落ちてくる雪が融けてしまう可能性が十分にあります。
東京では傘マーク、横浜では雪マーク・・・それぞれ予報文では
「雨か雪」と「雪か雨」。
非常に
微妙な予報になっています。
で・・・
今日の県内の天気予報・・・・・
北部の予報には
「時々 晴れ」がついているので、青空が顔を出した場合も想定されていますし、
「所により 雪」もついていますから、新潟県境の雪も想定されています。
日中チラチラの可能性もありますけど、あくまで雪が舞う程度で済みそうですから、
ハズレというレベルにはならないでしょう。
ということで、
北部の予報は当たると考えます。
次は
南部・・・
「朝晩 くもり」ですけど、
東のエリアでは夕方チラチラの可能性はあります。
ただ、「所により雪」というほど広いエリアで降るわけでもなく、本当にチラチラ程度ですから、これを
エリアの平均的な天気を表現する予報文に反映させるにはためらいがあります。
ということで、
南部の予報も当たる・・です。
そして、
中部。
関東の弱い気圧の谷の影響を受けやすい
佐久・軽井沢方面は「時々 くもり」というより「時々 晴れ」というレベルになる可能性がありますが、
エリアを平均的に見れば晴れベースで考えてよいと思います。
やっぱり
中部の予報も当たると考えます。
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