故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?
1、今日の一言
今朝の
長野市内・・・日の出あたりから
雪が強くなってきました。
ふらふら・・・と迷いこんできた雪雲だと思いますが・・・・
今朝
7時過ぎのレーダー画像を見ると、
新潟県境付近に雪雲がかかっていて、次第に
長野市方面に広がっています。
こんなとき、気になるのは
何センチくらい積もるの?ということでしょう。
いわゆる
降雪量です。テレビの天気予報でアナウンサーさんが積雪と言い間違えていたりしますが、積雪は実際に積もっている雪の深さで、降雪は
一定時間に積もった雪の量・・・積雪の増加分です。
で・・・
降雪量を予想する方法として、統計学的手法からズバリ計算してしまう方法と、降水量の予想に
雪水比という数字を乗じてはじき出す方法があります。
ズバリ計算する方法は複雑なプログラムが必要ですから気象庁にお任せとして、Kasayanでも簡単にできそうな方法が雪水比を使う方法です。
雪水比というのは、
雪水比=降雪量(cm)/降水量(mm)で計算され、ようは
降水量を降雪量に換算するための係数。
これを使えば、降水量の予測から降雪量を計算することができるわけです。
で・・・・・Kasayanの住んでいる
長野市内の今日日中の
降水量の予測値は・・・8~10ミリ程度(かなりイイカゲン)。
そして気象台が発表した日中の
予想最高気温は0℃。
気温0度の雪水比はおよそ1.0ですから、8×1.0で・・・
降雪量は9センチ前後ということになります。
まあ・・・日中の
気温が0度を上回ると急激に雪水比が下がり、降雪量が大きく減ってしまう可能性もあって、
適時修正する必要があるので・・・・
予測というより予言の域です(信用しないでネ)。
東京ではこのような計算を色々検討してみたことがあるのですが、長野でははじめて。
朝の寝ぼけた頭で適当に計算してみただけなので全くあてになりませんが、
実際どうなるのか?楽しみです。
8時半追記:注意報では山沿いの多い所について予想降雪量を発表しています。
長野地域 [発表]大雪注意報 [継続]なだれ注意報
雪 3日昼前から4日朝にかけて 以後も続く
24時間最大降雪量 山沿い 40センチ
中野飯山地域 [発表]大雪注意報 [継続]なだれ注意報
雪 3日昼前から4日朝にかけて 以後も続く
24時間最大降雪量 40センチ
大北地域 [発表]大雪注意報 [継続]なだれ注意報
雪 3日昼前から4日朝にかけて 以後も続く
24時間最大降雪量 山沿い 40センチ
2、全国の予報
テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。
例によって日本海側雪、太平洋側晴れの
冬型の天気分布ですけど、
関東は「のち くもり」ゾーン。
東京の予報文には
「所により 夕方 から 夜のはじめ頃 雪」なんてものがついています。
雪を降らせる原因が全然違いますから、一昨日の混乱を生むような雪じゃなくて、
降ってもチラチラだと思いますけど、関東で「のち」に
天気を悪くする何かが通過するということです。
長野県の雪マークとも関係していそうですね。
3、長野県の予報
長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。
北部は冬型・・・
「雪」ベース。
「朝晩 くもり」ですから日中中心の雪です。
中南部は
「晴れ」ベースですけど、
「夕方 から」雲が広がって、
「所によ」っては
「雪」も降る・・・ですね。
(予報文をちょっと補うとあら不思議・・・アナウンサーさんが読んでいる原稿になるんです・・・余談)
北部で日中雪を降らせる原因の何かが、夕方には中南部に雪を降らせ、そして夜になると関東でも雪を降らせるわけです。
で・・・・
長野地方気象台発表の概況を見ると・・・・
今日は、冬型の気圧配置が続きますが、午後には上空の気圧の谷が通過する見込みです。
このため、北部では雲が多く、日中を中心に雪が降るでしょう。中部や南部では、はじめ晴れますが、夕方からは次第に雲が広がり、雪の降るところがあるでしょう。
と、キチンと
理由が書いてあります。
気象庁HP長野県概況:
http://www.jma.go.jp/jp/yoho/322.html
4、一般的な天気図の評
どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。
今日、雪を降らせる
原因・・・・
冬型の気圧配置と
上空の寒気、そして日本海にできる
雪雲の帯です。
雪雲の帯が北陸にブチ当たり続けるので北陸中心の大雪になるわけですが、上で見た
「上空の気圧の谷」・・・・これは後で専門の天気図でチェックすることにします。
5、今日の天気予報は当たるのか?
100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。
まず、予想天気図で見た
日本海にできる雪雲の帯。
この冬、何度も書いてきましたが、北朝鮮の付け根にある山岳地帯を北西の季節風が通り抜けるときにできる
風の収束帯のことです。
風が集まる場所には水蒸気も沢山集まって特に雪雲が発生する場所・・・雪雲の帯になります。
こいつがやってくる場所で大雪になるわけですが、今日の行き先は北陸・・・・北陸の延長線上に長野県北部があるわけです。
北陸から長野県に流れ込む雪雲を阻むのが
北アルプスや北信五岳。
風向や風速によって県内に入り込んだり入らなかったり・・・・・
日中は北西風・・・・この場合は北部の山沿い中心の雪。
風速が強ければ長野市内にまで・・・北部で風が強まるのは昼前後?・・・・
雪雲が大量に発生することは確かなので、今日の
県内の雪は風次第ということでしょう。
夕方以降、北西の風は西寄りに・・・・北アルプスの南側から雪雲が流れ込んで・・・
中部・南部に「所により 雪」をもたらしそうです。
次は、上
空の気圧の谷。
図中、
「正渦度帯」とは、低気圧性の反時計回りの
空気の渦が出来やすい場所。
そして、
上空の気圧の谷とは特に渦が出来やすい場所で、地上の
雪雲にパワーを与えます。
こいつが
日中東日本を通過・・・県北部に雪を降らせ、太平洋へ抜ける直前には中南部や関東方面にまで影響を与えることになりそうです。
で・・・・今日の天気予報・・・・
予報とは異なるもう一つのシナリオは「雪があまり降らない」ということになってしまいます。
今朝の段階で、
県北部に大雪注意報も出ていますから、もうひとつのシナリオを考えるのはあまり気乗りしません。
防災的要素も含めて、
今日の天気予報は当たると考えます。
降雪量の予言?当たるかなぁ???
最後に、
上空の寒気を検討した原図を添付しておきます。
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