故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?
1、今日の一言
県内朝から雨や雪・・・・・
昼前後からあがってくるようですが、
こういうときって、
「いったいどの範囲で雨(雪)になってんだ?」とか
「雨(雪)雲はまだ抜けないの?」なんて気になりませんか?
キー局が担当する
関東ローカルの天気予報では、こんなときには
レーダー画像を使って「あと3時間ほどで雨は上がりそうです」なんて解説をしますが、
長野ローカルでこんな解説を見たことありますか?
何度か書きましたが、
早朝の地方の放送局は最低限の人員で運用されています。
エッこんなに少ないの?と思うほどですから、朝のニュースを作ったり、キー局とのお天気カメラ操作の打ち合わせなんかで
大忙し。
天気予報のメニューを変更するヒマなんてありません。
(慣れない人がCG画面の変更操作したりすると放送事故の原因になったり・・・・)
ですから、よほどのことが無い限り、
自動で送出される天気画面を使い、気象台の予報文や気象会社から送られてくる原稿を読み上げるだけになります。
ネットの充実化、多チャンネル化の中で、
地方ローカル局が生き残るする道の一つとして朝の天気予報の見直しも必要だと思うんですけど・・・・
26日の記事に書いたように、
予報のエリアを細かくするという方向にしか進んでいないのは、ちょっと
方向を誤っているような気がします。
ニーズに合った天気予報・・・
ニーズとは何か?を問い直すべきでは?
(ちょっと偉そうに語っちゃいました・・・・お天気「放談」なんで・・・・)
2、全国の予報
テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。
本当は回復するタイミング毎にエリア分けしようと思ったんですけど、複雑になっちゃうんで、大ざっぱに分けておきました。
近畿より東は日中前線や低気圧の雨雲が通過するタイミングで
刻々と天気が変化します。
その様子は後の天気図アニメなどでチェックしますが、県外へお出かけでしたら、
上のリンク先で各地の予報文を読んでみてください。
県内の予報と同様、「昼過ぎから」とか「夕方から」など、
天気変化のタイミングがコンパクトに書かれています。
3、長野県の予報
長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。
北部の天気変化のタイミングは
「後 北の風」になったとき。
予報文には
「夕方 から 晴れ」と書いてありますが、午後のどこかで雨が曇りに変わります。
一方、
中部や南部・・一日を通して
南風の予報ですが、南風が強いのは前線が通過する直前によくみられること。
この
風がおさまってくるタイミングで雨も上がります。こちらも
「夕方」。
教科書的には、前線通過とともに中部や南部も北よりの風に変わるはずなんですけど、そうならないのは気圧配置が複雑なのと・・・高い山々の多い長野県の特徴です。
このあたり、
気象庁HPの時系列予報がわかりやすいので、チェックしてみてください。
http://www.jma.go.jp/jp/jikei/322.html
そうそう・・・書き忘れてた・・・ 岐阜県や富山県で「のち くもり」なのに、長野県は「のち 晴れ」になっているのも、北アルプスが雲をブロックしているから。ここでも山の影響がわかります。
4、一般的な天気図の評
どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。
天気を悪くする3つの原因があるのがわかりましたか?
一本の寒冷前線が通過するならもっとシンプルになるんですけど、
原因ごとの微妙な相互作用があって特に北日本の天気変化は複雑です。
もっとも長野県に一番影響するのは一番西側の前線と前線上に発生する低気圧。
南西の風に乗って湿った暖かい空気が県内に流れ込みますから、
25日の記事で書いたように
南部の山の南西斜面付近では一時的にドバッと降る可能性があります。
午前7時現在、県内各地で
融雪・なだれ注意報が発表されていますからご注意を。
5、今日の天気予報は当たるのか?
100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。
こういうときには
雨雲の様子から・・・・あくまで計算値ですから、安全マージンをとって見てくださいよ!
県内はすでに雨が降っていますから、ここでは、
「昼前後が雨のピークだな」「遅くとも夕方には回復ね」「でも新潟県付近には別の雨(雪)雲ができるんだな」という判断をします。
次は
県内にズーム。
ピークと思われる昼から夕方まで3時間毎にチェック。
やっぱり
南部ではちょっと多めの降水量が計算されています(黄色のところ)。
ただ
午後3時頃には回復しそうですね。
そして、
新潟・富山県境付近に別の雨(雪)雲が発達してきています。
・・・・
冬型の気圧配置になって・・・雪雲ができてくるんですね。
午前11時45分追記:北部の雨雲は消散傾向。南部雨ピーク。今後雪雲の拡大に注目。11時気圧1008hpaいまだ下降傾向。北部風向南傾向継続?レーダー監視が効果的。
一応・・
雪に変わるのか?をチェック。
上で見た雨(雪)雲の範囲には、
降るモノが雪になるだけの寒気が南下しています。
午後3時までは雨でも、遅くとも
夕方以降は雪。
・・・ザクッと今日の天気変化をチェックしてみましたが、
今日の予報がハズレるとしたら・・・・
「のち 晴れ」になるタイミングが遅くなるという点でしょうか?
(のち 曇り 夜 晴れ・・という予報じゃないんですよね・・・今日は)
今日の雨・・・・
冬型の気圧配置にバトンタッチするパターンですから、夏場の前線通過とは異なり
スパッと回復しません(特に西や北のエリア)。
そのあたりを考慮したかどうかはわかりませんが、
県内全域「晴れ」になるのは「夕方 から」。
すでに日が落ちる頃ですから、
晴れのハズレを感じることはないでしょう。
天気マークだけ見て「のち 晴れ」だから午後には晴れんだろう!なんていう誤解をしなければ天気予報は当たるはずです。
そうそう・・・雨の降り方も一様じゃないので、
降ったりやんだり・・・南部ではドバッもあるというイメージ。
気になる方は、
気象庁HPや携帯電話でレーダー画面を見るのがイイですね。
http://www.jma.go.jp/jp/radnowc/
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