故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?
1、今日の一言
長野市内、煙突の煙を見る限り
南風。
長野の風向を観測している
長野地方気象台はご存じのように市内城山にありますけど、どうも
長野盆地の平均的な風向とは異なるようです。
北に
地附山が迫り、その後ろには
飯綱山・・・その影響があるのかもしれません。
そこで、盆地のほぼ中心部・・・
ゴミ焼却場の煙突の煙をチェックするようにしています。
今日は
南風が北風に変わるはずなんですが・・・・
2、全国の予報
テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。
今日は天気マークのエリア分けをするのはやめました。
全国的に「のち」悪化傾向。
西日本は「時々(一時)」マークがついていますけど、予報文を読むと「昼前」とか「昼過ぎから」など、時間指定で天気の悪化傾向が書かれているところが多いので、悪化の程度が異なるだけで、「のち」と似たような天気傾向です。
ということで、今朝の天気チェックは、
全国的に天気を悪化させる原因が中心になりそうです。
3、長野県の予報
長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。
全国的に「のち」天気が悪化する傾向になので、ここでは県内の
「のち」は何時なのか?悪化はどの程度なのか?をチェックしていきましょう。
まず天気マークを見ると、
北部は「のち」に雪。
さらに予報文をしっかり読むと、北部の天気は
晴れ→曇り→「夜」雪という流れのようです。
夜から雪というのはわかりますが、
いつから曇るんでしょう?
何度も書きましたが、そんなときは気象庁発表の
時系列予報をチェックします。
http://www.jma.go.jp/jp/jikei/322.html
どうやら
昼前後には曇ってきてしまうようです。
次に
中南部・・・・「のち くもり」マークがついていますが、予報文によれば
中部は「昼過ぎ」、南部は「昼前」から曇ってしまうようです。
おまけに天気マークには表示できない
「所により 雪」が書かれていますが、「所により」じゃ範囲が広すぎるので、せめて傾向くらい知りたいですよね?
そのために気象庁は
分布予報を発表しています。
http://www.jma.go.jp/jp/mesh20/207.html?elementCode=0
チェックしてみると・・・
県西部中心のようです。
でも、
エリアがおおざっぱ過ぎてイマイチわかりにくくありませんか?・・・ということで、あとでもうちょっと詳しく見ておきましょう。
あと・・・北部は南の風が北に変わり、中部では南風が強く吹く傾向。
そして明日は県全域で北風。
天気変化の目印になるので書き込んでおきました。
4、一般的な天気図の評
どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。
ポイントは、
全国的に気圧の谷の中に入ってしまう・・・ということです。
地図で見る山の谷間には急斜面や緩斜面があり、沢があったり崖があったりしますけど、天気図の気圧の谷も同じです。
寒冷前線は急流の谷川みたいなものですし、停滞前線は谷川のよどみ、等圧線が混雑しているところは崖。
今日の気圧の谷は、そんな
要素がいっぱいの谷・・・それが
一日で日本を通過するわけです。
5、今日の天気予報は当たるのか?
100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。
様々な要素がある気圧の谷が通過するわけですから、
長野県に関係する寒冷前線の通過に着目しながら県内の天気の変わり目をチェックします。
このアニメ・・・ここ10年テレビでおなじみになりましたけど、
当初はデータがリアルすぎて、「雨ぎりぎりセーフ」なんていうように、
一般の方が誤差を考慮しない誤った解釈をするのでは?と懸念されていました(特に台風などでは大問題とされていました)。
ところが・・・某放送局がいきなり使い始めてから
なし崩しのように使われるようになってしまいました。
県内でも
SBCなどでは毎日使われているようですが、
「あくまで傾向を見るための道具」として見ることをおすすめします(もちろんこのブログの図やアニメも同様です)。
横道にそれましたが、今日の県内の天気傾向は
前線通過がメインですけど、
通過後に冬型の気圧配置になるということも考慮する必要があります。
前線通過後には寒気が南下してきて、
日本海側に雪雲発生。
夜になると
太平洋側と日本海側に二つの降水エリアができているのがわかります。
日本海側の雪雲といえども雪雲を流す風向によっては長野県中部南部にも雪を降らせますから、
前線本体の影響と冬型の影響をダブルで受けて
天気変化は複雑。
こんなとき、天気予報はかなりアヤシくなりますから、
安全マージンを大きくとる必要がでてきます。
そこで、県内をもうちょっと
ズームしてチェックしてみましょう。
午後3時前後、寒冷前線が県内を通過すると思われます。
それまでは前線に吹き込む
南西の風中心。
このようなとき、北アルプスが壁になって北部はそれほど強風になりませんが、
中南部では南風が強くなります。
そして、南風にのって
湿った空気が県内に流れ込みやすくなりますから、南部ほど雲が広がりやすく、この風がぶち当たる南西斜面中心に雨(雪)の可能性あり。
前線通過前にもポツッと雨があるかも・・?
そして、
寒冷前線が完全に通過した午後9時・・・・
風は北西に変わって、
日本海の雪雲を運んできます。
そうなると、今度は
北部に雪雲のエリアが拡大して南部は回復する傾向になります。
もっとも・・・・今日の場合は、
二つの天気変化が非常に早く切り替わります。
前線が通過しても、
南部に残った暖かい空気の上に寒気がなだれ込んできますから、雲が発生しやすい状態が持続して
南部もスパッと回復しません。
また、今日、
南部の南風は西寄りに吹く可能性が高いので、岐阜県側から
木曽地域中心に雪雲が流れ込む可能性も高くなっています。
結局、
午後3時以降は、県西部や北部を「中心」にして、県内の広いエリアで雪の可能性があるということです(もちろん、西側のエリアの可能性が高いですけど)。
ということで、
北部の予報はまず当たると思いますが、
中南部の予報は可能性は低いものの、昼過ぎに早くもポツリとあるエリアもあるという点でアヤシイと思います。
あと、
中南部の「所により」が思った以上に広いのでは?という点でもアヤシイ感じがします。
まあ、アヤシイといっても
安全マージンをとるためのものですから、
石橋をたたいて渡る必要がある人だけ注意しておけばよいですけど・・・・・
最後に、寒くなる原因・・・の
寒気が南下する様子と、
風が変わる様子をチェックしてあるので、天気図だけ掲載しておきます。
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