天気予報は当たるのか?(1月3日)
故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?
1、今日の一言
今朝7時現在、長野地方気象台から
長野・中野飯山・大北地域に
大雪注意報が発表されています。
(乗鞍上高地・木曽地域にはなだれ注意報継続)
テレビやネットの天気予報のほとんどは、注意報や警報が発表されているとだけしかわかりませんけど、
気象庁のHPを見ると、
”何時?何が?どのように発生して、何が危険か?”・・・ということもキチンと書かれています(
原本はここをクリック)。
長野地域 [発表]大雪,着雪注意報 [継続]なだれ注意報
雪 3日夕方まで24時間最大降雪量 山沿い 40センチ 平地 20センチ
付加事項 降雪による交通障害
中野飯山地域 [発表]大雪,着雪注意報 [継続]なだれ注意報
雪 3日夕方まで24時間最大降雪量 40センチ
付加事項 降雪による交通障害
大北地域 [発表]大雪,着雪注意報 [継続]なだれ注意報
雪 3日夕方まで24時間最大降雪量 山沿い 40センチ 平地 20センチ
付加事項 降雪による交通障害
大雪情報のときにも書きましたが、国民の税金で作られている
気象庁のHPは天気予報の産地直売所(タダですけど)。
原本を読めば、一番気になる
「どれだけ雪が降るのか?」も、ちゃんと書いてあるんですよ。
普通の「予報」には書いてありませんから、
ブックマークおすすめの一品です。
ただ、
何時頃、どのように降るかは「予報」に書いてありますから、
ブックマークするなら予報とセットにすべきですね(おすすめの予報サイトは記事中に書きました)。
今朝の長野市内、昨日ずいぶん雪が融けましたが、再び積雪。
これからどうなるか・・・チェックしていきましょう。
2、全国の予報
テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。
県内に大雪注意報が出ているとなると、何時まで降るんだよ?ということが気になりますが、
すぐに木に飛びつかないで森から見ていきます。
例によって
日本海側が雪の冬型の天気分布。
それ以外に、なにか傾向は読み取れないかな?・・・・簡単に見つかる傾向はなさそうです。
3、長野県の予報
長野にズーム。天気マークしか見ていないんじゃ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」があるかもしれませんよ。
北部は雪ベースで「時々 くもり」・・・今日は雪傾向ですね。
一方、
中部南部は「のち 晴れ」マーク。
「のち」って何時?を知るために
予報文を読むと・・・・・
南部は昼過ぎから、
中部は夕方から晴れるようです。
陽が落ちるのが早いので、中部の晴れ間は夕方のほんの一時だけですね。
目立つ太陽マークに気をとられると予報がハズレた!なんて誤解してしまいますから、
キチンと予報文を読みましょう。
気象庁のHPにも予報文は載っていますが(
ココをクリック)、
本当の原文はこちらのサイトで見ることができます。
http://www.imoc.co.jp/yohou/yhd_2.htm
注意報警報のページをブックマークされたのでしたら、こちらもセットでどうぞ。
4、一般的な天気図の評
どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?
テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。
今朝も
「実況」天気図から、「予想」天気図へチェンジするように作ってあります。
あんまり変化がないように見えますが、西から高気圧が張り出して、少しずつ
冬型が弱まる傾向。
少しずつ・・・ですから、
中部の「後 晴れ」が夕方になっちゃうんですね。
いずれにせよ、
明日はもっと回復するはずです。
5、今日の天気予報は当たるのか?
100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。
北部は一日雪傾向・・・雪よりも曇りの時間帯が長かったといっても、まともに降れば注意報が出るほどの状態ですから、
防災的な要素も加味して、
素直に予報を信じておくのが吉です。
一方、
中部と南部の回復のタイミングが当たるのか?が問題になりますが・・・・
まず、回復のタイミングを考えるには、
何が、何時、どのように変化するから回復する・・というストーリーを考えねばなりません。
何が?
衛星画像を見ると、北海道付近に細くシャープな雲の帯、北陸付近には閉じかけた扇型の雲の帯がかかっています。
これを
コンピューターの計算値を使って見てみると・・・・
今朝の日本海には、
雪雲のベルトコンベア・・・風向の違う風が線状にぶつかりあう
シアーラインが2本あることがわかりました。
このうち南側の一本が北陸方面から県内に雪雲を運んできているわけですから、この
シアーラインがどう変化するかを見れば良いわけです。
そこで、気象庁の
予報官と同じデータを見てみます。
まず、
午前9時。
南部の降水(雪)は弱まっていますが、北部山沿いではしっかりと降水(雪)が予想されています。
そして夕方と夜の境目・・・
午後6時。
中部南部はほぼ回復していますが、北部は相変わらず山沿い中心に降水(雪)。
予報の最終的な傾向を
大きく疑う余地はなさそう・・・。
別に
雲量の計算値をみても、
南アルプスや中央アルプス周辺に雪雲・・下層雲が残るものの
盆地上空の雲はかなり薄れる傾向。
さらに、冬型の弱まるタイミングで
寒気の最後の一発?がある傾向にありますが、南部では今夜寒気が南下して
明日朝、中部南部では放射冷却の冷え込みがありそう。
ということで、
中部南部はアルプスの山から流れてくる雲が目立つ可能性もありますが、
基本的に予報は当たると考えます(当たると言ってばかりいてアレですけど)。
むしろ、
中部では夕方を待たなくても晴れ間がでる可能性がありますが、そうなっても防災的要素も考慮したと考えておきましょう。
今年の正月、2日は回復傾向でしたが3日はキチンと長野の冬を演出してくれました。
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