故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?
1、今日の一言
今朝の
出張雪かきは、軽く雪をなぜる程度・・・
楽勝でした。
このところ、日の出が遅いですから、午前7時前後が一番寒いですね。
今朝の長野市内は-3.4℃。
松代方面の
千曲川を見ると、
川霧が一段と濃く見えました。
昨日、北信各地は一日を通して氷点下の所ばかりでしたが、気象庁発表の今日の
予想最高気温は4~5℃。
昨日の予想より、
寒波は足早に遠ざかって行ったという感じですけど・・・・
昨夜、北アルプス方面だけ雪雲が残ったようですが、これは寒気が逃げる際に屁をこいた?みたいなもの(午前9時現在、大北地域には大雪注意報は出てます)。
今夜は、ちょっとだけ
寒波の仕返しがあるかもしれません。
どれだけ長野県内に雪雲が流れ込むのか?月曜の朝が気になりますよね。
2、全国の予報
テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。
日本海側雪パターンはあいかわらず変わりませんけど、
東北では太平洋側でも雪マークがついています。
太平洋側に太陽マークがつく典型的な
冬型にちょっと変化があることを疑わせます。
また、
鹿児島の雨マークは、
寒気が北上していることを想像させてくれます。
3、長野県の予報
長野にズーム。天気マークしか見ていないんじゃ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」があるかもしれませんよ。
マークじゃわからない
風の様子も書き込んでおきました。
県内ローカルのどの天気予報番組を見ても、
風の予報は全くやっていません。
これ、全般に
風の弱い長野県ならではの特別な番組構成なんです。
海に面している県や関東・近畿近県の天気予報では、どんなに穏やかな日でも地図上に矢印を表示して、風向や風速を伝えています・・・・知ってました?
本題にもどって・・・・日中の県内は全般に
南風。
ただ、
北部はやがて北に変わり、中部は南風が次第に強くなる傾向。
これ、
前線が通過するときのパターン。
日中、
気温が上がるのもこの南風のためです。
そして、
北風に変わる北部では急激に気温低下。
前線通過に伴って天気が急に変化する可能性があるわけですが・・・
北部の予報・・・
「夜 雪」がついています。
どの程度急な変化なのか?・・・
月曜日の朝、雪雲はどれだけ県内に入るのか?が一番気になるところです。
4、一般的な天気図の評
どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?
テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。
天気が急激に変化する場合には、
今がどうなっているのか?、これからどうなるのか?という流れで天気チェックをします。
そうしないと、
何が起こるのか?が、良く見えてこないんです(予報を出す人はどんな時でもこの流れでチェックしていますが)。
ということで、
今朝のひまわりの映像と、同じ時間の実況天気図から見ておきましょう。
テレビの天気予報で、最初にひまわりの画像を見せるのは、一目で雪(雨)雲の様子がイメージできるから。
「筋状の雪雲が・・」っていうコメントは、
「雪雲が日本海でバンバンわいていますよ!」と言いたいわけですが、「筋状の雲が見えます」とコメントしただけじゃ、「だからどうなの?」と思っちゃう人がいるんじゃないかといつも気になっています。
次に
実況天気図を見せる場合があります。
ひまわりの画像で見た
雲が、どういう理由で発生しているのか?を伝えるためなんですけど、「実況」天気図を見せる天気予報番組は、長野の場合
NHKの正午前と午後6時50分の天気予報だけ。
いきなり「予想」天気図を見せてしまうのは番組時間がないからですけど、今日の場合は、いきなり何だ?という感じになっちゃうかと思います。
今朝の実況天気図・・・相変わらず
西高東低の冬型の気圧配置。
ただ、良く見ると、日本海の
等圧性は縦に並んでいても、
東西にウネウネと波打っています。
弱い気圧の谷と、弱い気圧の尾根が並んでいるわけですが、
日本海の雲もこのウネウネに対応して「筋状」になっていますが、このウネウネが天気にイタズラをします。
もうひとつ・・・冬型の気圧配置の場合、「等圧線の間隔が混んでいて・・」という解説を良く耳にしますが、北日本の等圧線の間隔が開いているのに対して、西日本の等圧線の間隔が混んでいる
のが特徴的です。
ここから、今日の南風、西ほど強いんだな・・・と考えることができます。
それでは、
この状態がこれからどうなるんでしょうか?
ありゃ?東北太平洋側に
低気圧。おまけに
寒冷前線が北陸日本海側へと延びています。
ひまわり画像を見せつけられて、いきなり何だ?のパターンですよね。
こうなる途中、
何が起こっているのか?をアニメにしてみました(ゆっくりアニメにしてあります)。
左側が
等圧線と降水(雪)エリアの変化。右側が
上空5400m付近の天気図と寒気の中心の様子です。
日中、
日本海の等圧線のウネウネ部分に
低気圧が発生して、東北を横断。
低気圧からのびる
寒冷前線が次第にはっきりしてきて、
夜には日本海沿岸に南下してきます。
前線の南側は南西の南風ゾーン。
昨日と比べて
気温は急上昇です。
そして寒冷前線、朝までには太平洋側に抜けるので、
深夜、長野県は急激に
前線北側の北風ゾーンに逆戻り。
北風ゾーンには寒気が流れ込んでいますから・・・・明日、また
寒くなるわけです。
それと同時に、日本海の
雪雲が再び活発に発生し、北風にのって北陸、そして長野県へ。
水色の降水(雪)の帯がだんだん近づいてくるのがわかりますよね。
で・・・
雪雲がどれだけ長野県に流れ込むのか?ですが・・・
時間ごとの降水(雪)をチェックして、県内に一番雪雲が流れ込んでいたのが
深夜1時前後。
北部はほぼ全域で長野市内はチラチラか薄っすら、中部は松本付近でチラチラか薄っすら程度?南部木曽谷も薄っすら程度で伊那谷でチラチラ程度でしょうか?
計算値がちょっとずれただけで、県内への雪雲の侵入は大きく変化しそうですから、夕方5時以降の新しい計算値による予報で
再チェックが必要です。
このところ、Kasayanは雪雲の侵入の程度と、地上付近と上空の風向と風速の関係についてデータ集積中。
この冬でなにかしらの傾向が見つかれば良いのですが・・・・・
文献を調べたり気象台に行ってレクチャーも受けてみようかと思っています。
5、今日の天気予報は当たるのか?
100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。
日中暖かくなる傾向という点については問題なし。
ポイントは、
今夜の前線通過のタイミングと、雪雲が流れ込み始めるタイミングと程度です。
このあたり、
前線通過のタイミングは、
気象庁HPの時系列予報(クリック)の風向予想で、
南から北に変わる時間をみると簡単にわかるのですが、
北部で夕方を予想しているようです。
今日の日中の活動が終わったあとですし、
前線通過のタイミングが多少遅れたとしても、夜に雪が降りだすことは間違いないでしょうから、
「夜 雪」のタイミングは当たると考えます。
そして
雪の程度ですが・・・・昨日の大雪ほどにはならないにしても、今朝のように楽勝な朝ではありません。
正直なところ、長野の雪は教科書以上の経験のないKasayan.
問題の北部・・・長野県北部の
大雪注意報(クリック)が発表される基準は、
中野飯山地域 40cm以上
長野地域 20cm以上
山沿い 40cm以上
大北地域 20cm以上
山沿い 40cm以上
ですから、
夜の天気予報で注意報が発表されていたら、この基準に照らしてお住まいの地域の積雪をイメージしてみてください。
発表されなかったら・・・北部の中でもエリアごとに、
かなりバラツキのある降雪になると思います。
日曜日・・・・これから
戸隠あたりまで、久々の大量の雪でも見に行ってくるかな・・・・・・
そうそう・・
・年末寒波・・・ありそうで・・・なさそうで・・・・????です。