冬型気圧配置と雪の関係あれこれ(12月23日)

kasayan

2011年12月23日 08:35





 昨日の記事に、始めチョロチョロ中パッパの寒波と書きましたが、今朝の長野市街地は風が弱く、日差しもあって始めチョロチョロの状態。
 時折、市内南西部に北アルプス方面から雪雲が流れ込み、弱い雪を降らせている様子。

 ・・・あ・・・最初に謝っておきます・・・今日のブログ・・・分かりにくいです・・・・ゴメンナサイ




 ニュースでも天気予報でも、「荒れ模様」という言葉が躍っていますが、今朝の段階では北日本中心
 午前3時の段階では、低気圧が北海道の西側にあって、冬型の気圧配置はまだ完璧に出来上がったというわけではなさそうです。

 今朝の気圧配置、今夜から明日夜にかけての変化を見ると・・・




 北海道付近の低気圧の動きは遅く明日の夜、ようやくオホーツク海に抜けて、日本付近の等圧線が混雑。
 このタイミングでいわゆる北西の季節風が本格的に強まります。




 今朝の短期予報解説資料(プロ用の資料)は実にシンプル。

 発達した低気圧北海道付近をゆっくりと通過するので、久々にSWの文字・・・海上暴風警報、風速24メートル以上・・・・台風の暴風域並の強風を予想しています。
 また、明日の朝にかけて日本海には、風が集まり雪雲の列ができるシアーライン(JPCZ)が発生し、それが南下・・・・山陰から北陸にかけて雪が強まることも書かれています。

 今回の寒波は比較的長めですから、26日(月)までの雪の降り方をチェックしてみました。

 まず、今日(23日)の様子から。




 今日は冬型の気圧配置が次第にしっかりとしてくる段階
 すでに季節風が強まって、日本海沿岸部では雪が降っていますが、夜にかけて次第に雪雲が活発になって、若狭湾から北陸にかけて風が集まって雪雲が活発になる帯が出来てきます

 若狭湾方面に雪雲の帯が向かっているので、琵琶湖、関ヶ原を通過して、名古屋方面に雪雲が流れ込み始める可能性あり。
 太平洋側は基本的に晴れベースですけど、雨・雪判別の目安、上空1500m付近-6℃ラインは南岸まで南下していますから、雪雲が流れ込めば、雪になるのほぼ確実でしょう。

 続いて関東甲信越方面にズーム。




 基本的には北西の季節風がぶつかる新潟県と長野・群馬県境付近で降水(雪)が予想されていますが、長野県内の地上付近の風の流れは非常に複雑。
 実は、複雑になる理由をアレコレ考えていたので、ブログ更新が遅くなってしまったのですが・・・・もちろん、地形の影響ですが・・・結論は出ず・・・いずれ・・・・

 あと、駿河湾に渦が形成されて低圧部が発生する様子が見られます。
 駿河湾低気圧と言われて、長野県の山岳地帯が静岡の天気を局地的に悪くする現象・・・漁船やヨットなんかは気を付けたいところ。

 続いて、明日(24日)から26日にかけての雪の様子。
 全国と中部の降水(雪)の様子と、上空5500m付近の風の様子(右下)をまとめてアニメにしてあります。




 シアーライン(赤)が南下して、シアーラインの行く先が能登半島付近になると(24日夜)、長野県西部で山越えの雪雲が流れ込み(長野県西部大雪パターン?)・・・・

 さらに若狭湾付近まで南下し、上空の北西風が強まると(25日夜)、長野県北部にも雪雲がどっと流れ込むようになります。

 そして、シアーラインが山陰付近まで南下し、上空の北西風がさらに強まると(26日)、長野県内にはさらに雪雲が流れ込みます。
 ・・・・・シアーラインの雪雲の列と長野県の大雪・・・・今回はあまりリンクしていません・・・むしろ上空の風速と関係しています。

 北陸や山陰の大雪はシアーラインと比較的リンクするようですが、長野県北部全体の大雪は、シアーラインの位置と関係するというよりも、上空の風速が強まり、地上から上空までキチンと北西の風に揃うことが条件になるようです・・・・計算上は・・・・・(Kasayanのメモになっているので、理屈っぽくてごめんなさい)。

 一方、シアーラインの雪雲の列が若狭湾付近に流れ込み、上空の風が強まると、名古屋方面に雪雲が一気に流れ込みます(25日夜から26日)。
 新幹線が遅れたりするパターンですね。

 そろそろ今日は時間切れ・・・・なんだか分かりにくい話ばかりになってしまいましたけど、「寒波で大雪といっても、雪は時々刻々と息をする」「目先の様子だけで油断しない」ということだけは確かでしょう。

 【24日6時までの24時間に予想される降雪量】
多い所で、
  北海道地方、北陸地方 60センチ
  東北地方       50センチ
  中国地方、甲信地方  40センチ
  近畿地方       30センチ

09時55分追記
大雪に関する長野県気象情報 第2号
平成23年12月23日05時17分 長野地方気象台発表
■見出し
長野県では26日にかけて、北部山沿いや中野飯山地域を中心に、断続的に雪が降り、大雪となる所があるでしょう。
大雪による交通障害やなだれに注意して下さい。
■本文
[気象状況]
 26日頃にかけて上空には強い寒気が流れ込み、日本付近は強い冬型の気圧配置が続く見込みです。このため、26日にかけて長野県の北部山沿いや中野飯山地域を中心に、断続的に雪が降り、大雪となる所があるでしょう。
 また、北部の平地、中部、南部でも大雪となるおそれがあります。
[予想降雪量]
 24日06時までの24時間降雪量は、いずれも多い所で、
  北部 大北地域山沿い   :40センチ
         平 地   : 3センチ
     長野地域山沿い   :40センチ
         平 地   : 3センチ
     中野飯山地域    :40センチ
  中部 乗鞍上高地地域   : 5センチ
     上田地域の菅平周辺 : 5センチ 
     そのほかの地域   : 3センチ未満
 の見込みです。
[防災事項]
 大雪による交通障害、積雪による家屋や農業施設の倒壊に注意して下さい。
積雪の多い傾斜地では、なだれに注意してください。
[補足事項]
 この情報は、「強い冬型の気圧配置に関する長野県気象情報第1号」を引き継ぐものです。
今後、気象台が発表する警報や注意報、気象情報に留意してください。
 次の「大雪に関する長野県気象情報」は、23日17時頃に発表する予定です。



 府県天気予報: http://www.imocwx.com/yohoud.htm
 府県週間天気予報: http://www.imocwx.com/weekd.htm

 短期予報解説資料(他の資料も)
     http://n-kishou.com/ee/exp/exp01.html?cd=fxfe5782&cat=e2

 
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(当ブログに引用の天気図等は、気象庁、WNI、プログラム配布先より使用許諾を得ています)


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