冬型の気圧配置+寒気、でもちょっと変?(11月30日)

kasayan

2011年11月30日 07:34


 まずは今朝の実況から。




 気圧配置から見ると、西高東低・・冬型の気圧配置。
 となれば・・・・冬型の天気分布・・・日本海側がぐずついて、太平洋側が晴れる・・・というパターンを頭の中に思い浮かべる方が多いと思いますが・・・・・

 今日の天気予報・・・マークの予報でチェックしてみると・・・・




 西日本や東日本の太平洋側にも「のち 雨」の傘マークがついていて、北日本では太平洋側でも雪マークがついています。

 なんだか「変」ですよね?
 続けて、今夜の予想天気図も見てみましょう。




 今朝は気圧配置をしっかり見ることができるようにアニメにしませんでした。

 今夜の気圧配置・・・・誰が見ても西高東低、冬型の気圧配置
 ただ、よ~く見ると、なんだか西高東低になっている部分が北寄りになっています。
 西高東低の南限?と思われる部分に赤の点線を引いておきましたが、「北寄りの西高東低」が「変」な天気分布の原因かもしれません。

 そこで、地上の気圧配置の骨格・・・・上空の天気図をチェックしてみると・・・・




 上空の気圧の谷(赤の点線)が南下してくるものの、西側ではスカートのスソを引っかけたように、なかなか南下してきません
 上空の気圧の谷の影響は「北寄り」

 「北寄り」といえば、先に見た西高東低の気圧配置の「北寄り」と同じ・・・・南側の太平洋の高圧部の勢力が強く、冬を運ぶ上空の気圧の谷がイマイチ南まで影響しないのが、冬型が北に偏っている原因のようです。

 このため日本付近は、北西の季節風に乗ってやってくる大陸の寒冷乾燥空気と、太平洋から流れ込む暖湿気がぶつかる場所(冬と晩秋の境目)に。




 先の予想天気図で、西高東低、冬型の南限として赤の点線を引いたあたりに、二つの空気がぶつかる前線帯ができているようです。
 
 前線としては弱いので、気象庁では天気図上に前線を解析していませんが、あたかも前線があるように、このあたりでは雨(雪)が降ることになります。




 広い範囲に傘や雪マークがついているのは北側の前線帯・・・西日本に傘マークがついているのは、暖湿気優先の南側の前線帯の影響といえそうです。

 では、以上のチェック内容を踏まえて、雨や風の様子をチェック。




 北側の前線帯に対応する雨の帯・・・・通常の予想天気図では、ここまで予想するのはなかなか難しいですよね?
 気圧配置と天気のパターンを覚える・・・というのは、一般的な天気の勉強方法だと思いますけど、Kasayanとしては積極的にパターンを覚える勉強方法は、あまり良くないのでは?という気がしています。
 パターンに引っ張られると、今日の気圧配置では雨のエリアを読み誤るでしょうから、パターンの勉強はあくまで補助的な・・・解析を終えた後、結果的に考えるモノではないかと思うのですが・・・どう思われます?

 この季節・・・寒気が南下してくれば、降るモノは雪になります。
 雪と雨の境目の目安・・・上空1500m付近-6℃のラインも掲載しておきましたが、雪と雨はデジタル的に変化しません。
 0℃のラインとの兼ね合いで、予報は「雨か雪」「雪か雨」のなどと微妙な表現をしていますから、傘マークでも「雨か雪」の予報になっているかも?
 最寄りの地域の「雪」の可能性・・・・マークの予報ではなく、府県天気予報でキチンとチェックしておきましょう。


 府県天気予報: http://www.imocwx.com/yohoud.htm
 府県週間天気予報: http://www.imocwx.com/weekd.htm

 短期予報解説資料(他の資料も)
     http://n-kishou.com/ee/exp/exp01.html?cd=fxfe5782&cat=e2
 
 
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 可能な限り返信いたします。



(当ブログに引用の天気図等は、気象庁、WNI、プログラム配布先より使用許諾を得ています)

 

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