冬型の気圧配置+寒気=12月上旬のプチ冬?到来(10月1日)
まずは
今朝の衛星画像から・・・・
日本海には久々に
「大陸からの寒気の吹き出しに伴う筋状の雲」が見られます。
この雲が見えると、
もう冬が来たんだな・・・という気になるのですが、まだ10月1日なんですよね。
天気図を重ねてみると、遠く台湾の南に
台風19号・・・南岸に
秋雨前線・・・・北日本では西高東低の
冬型の気圧配置。
夏~秋~冬が全部一枚の衛星画像に凝縮されているような気がします。
さて、
西高東低の気圧配置といえば・・・・北風が強まって、日本海の筋状の雲がやってくる
日本海沿岸部ではぐずつき(さすがに雪の場所は高い山に限定されるでしょうけど)、
太平洋側は晴れ・・・という天気パターンを思い出しますが、気圧配置的にはどうなんでしょうか?
予想天気図を見てみましょう・・・・・
衛星画像や西高東低の気圧配置から、
日本海側がぐずつくということは容易に想像できます。
また、
秋雨前線が南下傾向なので、やっぱり晴れのパターンになってくることが考えられますが、
関東付近では前線がちょっとだけ北側に凸になっています。
いわゆる
「弱い気圧の谷」=弱い低気圧があるということですから、晴れるとしても、ちょっと
雲が多めになるかも?
そして、
今夜までに沿海州に低気圧発生・・・明日、寒冷前線を伴って北海道付近を通過しそうです。
沿海州に発生する低気圧や南岸の秋雨前線もからんでいる、
ちょっと複雑な西高東低の気圧配置ですが、どうしてなんでしょうか?
地上の気圧配置の骨格・・・上空5700m付近の天気図。
北海道の北には上空の低気圧があって、ほとんど動かず、
反時計回りの渦になっています。
また、この大きな渦の南側には、等高度線(等圧線と同様に考えてOK)がやや凹になっている
気圧の谷がいくつかあって(赤の点線)、大きな渦の流れに乗って、
日本付近にやってくるようです。
この
大きな渦の位置が、地上の西高東低の気圧配置のカタチを決定するのですが、今日の位置は
冬型の気圧配置を作り上げるにはまずまずの場所。
また、
上空の気圧の谷は、
地上の低気圧の発生や発達を促す低気圧性の渦を起こしやすい空気を伴っていて、
今夜沿海州にやってくる気圧の谷が地上・・・・・
沿海州付近に低気圧を発生させることになるようです。
そして、
日本南岸には太平洋高気圧。
ちょうど
関東沖付近で等高度線が緩やかに凹になっていますが、ココも
弱い気圧の谷。
地上付近では前線が北側に凸になって、
北東風に乗って湿った空気が流れ込み、関東方面に雲を作るということになるようです。
さらに、
上空の低気圧の周辺を流れる偏西風は南に大きく蛇行していて、低気圧の西側を吹く北西の
偏西風がシベリアの寒気を運んできます。
上空の低気圧と同じ形で寒気が南下していて、
今夜にかけて-30℃以下の寒気のコアが北海道方面に南下。
平地でも十分に雪を降らせるだけの寒気ですが、
地上付近の気温はちょっと高め。
地上付近で2~3℃程度まで下がれば雪の可能性があるのですが、そこまでは下がりそうもありませんから、
高原や高い山で雪の可能性があるという程度でしょう(北海道の明日朝の予想気温を見ればわかります)(ただ・・・
いきなり雪混じりの雨になることはあるかも?)。
ところで、この図には、
上空約3000m付近の湿数という情報も盛り込まれていて、湿数3℃以下の網かけのエリアが厚い雲のエリア、湿数6℃以下のエリアが曇りがちのエリアと判断することができます。
一応、
曇りエリアも色塗りしておきましたが、
秋雨前線の雲の帯は南下傾向ということがわかります。
最後に、以上のチェックポイントを思い出しながら、
天気マークの予報を見てみましょう。
今日はエリア分けしていませんが、大きく
「ぐずつきエリア」、「曇りのち晴れ」エリア、
「晴れのち曇り」エリア(前線上の弱い気圧の谷の影響を受ける関東付近ですよね)に分けることができると思います。
ご自分の頭上の空模様はどうでしょうか?
いつも書いていますが、気象庁発表の天気予報の最終製品・・・・
府県天気予報も併せてチェックしてくださいね。
府県天気予報:
http://www.imocwx.com/yohoud.htm
この秋一番の寒気の南下と冬型の気圧配置の登場に、ついつい専門天気図の色塗りに時間をかけてしまい、更新時間が遅くなってしまいました。
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