今朝のローカルの天気予報・・・キー局の関東対象の天気予報もそうだと思いますが・・・太陽マーク一色。
ここ十年ほどで増殖?した
時系列予報・ピンポイント予報・詳しい予報・・・・の表も、
太陽マークだけの表が何枚も連続して映しだされていたんじゃないでしょうか?
これはKasayanが住む
長野県の老舗放送局・・・
信越放送のポイント予報の画面を引用したものですが、今はこんな画面が
全国各地の放送局で使われています。
これらの予報は気象庁ではなく、
民間の気象会社が発表しているもので、
予報地点はいずれもアメダスが設置してある場所・・・・予報が当たったのか?
検証できる場所の予報でないと気象庁から許可が下りないからです。
まあ地点のことはイイんですけど、秋の移動性高気圧に覆われて、
太陽マークだらけの単純な画面が何枚も放送されるとき、
原稿を作成する人間はコメントに困ってしまいます。
こんなとき、すべての画面で
「晴れるでしょう」では困りますから、
「すっきりと晴れるでしょう」「秋晴れとなりそうです」「爽やかな晴天になるでしょう」などと手を変え品を変えてコメントを絞りだしたりします。
場合によっては、所々で
気温の話しを持ち出したり、
一部に曇りマークがついていようものなら「○○では夕方一時的に雲がかかりそうです」などとコメントして
時間を稼いでいたり・・・・・
でも・・・・
本当にそんなことでイイんでしょうか?
見れば一瞬でわかってしまうことをいちいちコメントすることは
最低のプレゼンテーションと言われますが、まさにそれ。
たとえ晴れ一発の天気であっても、
空の澄みかた、空気の乾燥具合、風の変化、気温の変化傾向が異なりますし、一時的に
雲がかかるのであればその
理由や
地域的な傾向、
雨の有無など、視聴者が知りたい情報について、
いくらでもコメントすることがあるはずです。
それができないのは・・・・十分に天気を解析していなかったり、
天気予報を役立つものとして伝えようとする使命感がないからでしょう。
それだけの解析能力が無いというのであれば論外ですが・・・・
昨夜や今朝、ご覧になったテレビの天気予報のコメントはどうでした?
偉そうなことを書いてしまいましたけど、むか~し、部下の書いた天気予報の
原稿のことで、全国各地の放送局にお謝り行脚をしていたこともあるKasayanなので、晴れ一発の天気の日・・・・天気予報のコメントがヒドイときは、
自戒も込めてついついグチを言いたくなってしまうのです。
余計なことはこれくらいにして、
秋晴れの今日の天気をチェックしていきましょう。
まずは、いつものように、予想天気図で大ざっぱな天気傾向をチェック・・・今日は今朝の
実況の気圧配置がどうなるか?という流れでアニメを作って置きました。
ざっくりとまとめると・・・・
秋の移動性高気圧にお覆われて全国的に晴天・・・ただ、大雨が続いた
奄美地方では、午前中まで不安定な天気が続いてしまいそう。
そして、夜になると
高気圧の中心が東海上に抜けて、高気圧の圏内からはずれる
九州は曇ってくるということです(テレビの解説もこんなものだと思います)。
今日のブログ・・・これだけでイイじゃん!という気持ちも働きますが、冒頭に偉そうなことを書いちゃったものだから・・・・
専門天気図で今日の晴れの様子を詳しくまとめておくことにします。
まずは
空模様の骨格・・・
上空の気圧配置から。
しばしば耳にする
「上空の気圧の谷」が天気を悪くする原因なら、
「上空の気圧の尾根」は
天気を良くする原因。
朝鮮半島付近にある
上空の気圧の尾根がゆっくりと東進・・・・
対応する地上の高気圧が日本を覆い、全国的な秋晴れになる・・・という骨格が出来上がっていることがわかります。
中国北東部にある
上空の気圧の谷・・・・コイツが次第に
九州に接近して(アッ・・・朝鮮半島の西の小さな気圧の谷に線を引き忘れた・・)、
九州は午後から曇り空に。
そこで、
湿数(気温-露点温度)という
雲の様子をチェックする専門の天気図を見てみると・・・
湿数6℃以下の
曇りエリア(教科書には3℃以下が雲エリアと書いてありますが、Kasayanは体感的に曇りと感じるのは6℃以下だと思っています)に色を塗ると、
九州南部では朝から雲多め。
九州の西には大きな曇りエリアが控えていて、秋晴れの寿命も短そうです。
また、南岸の秋雨前線の曇りエリアの帯に近い
関東南岸もちょっとアヤシイ感じ。
では、
雲の下の雨はどうなっているんでしょうか?
九州南部・・・色塗りした
並雨エリアは海上ですが、青線を引いた
ぐずつきエリアは鹿児島付近ギリギリ。
全国的に雨の降る心配はなさそうですけど、秋雨前線の西の端っこ・・・
奄美方面はしばらく雨の可能性があるということですね。
最後は、
秋晴れで暑さがぶり返すんじゃないか?ということをチェックしておきましょう。
上空1500m付近・・・高原の気温は
全国的に15℃以下。
でも、15℃ラインは夜にかけて
北上傾向。
空気が比較的乾燥しているので、地上付近は+10℃くらい・・・気象庁発表の予報では、
西日本中心に余裕で25℃を超えるようです。
まあ・・専門天気図はこのくらいにしておきましょう。
お遊びで、
上の専門天気図の書き込みを午前3時の衛星画像に重ねてみました。
午前3時の画像に午前9時の予想をかさねるという無茶をしていますけど、天気変化が遅いので、
計算値と実況がそれなりに一致していることがわかりますよね。
ちなみに、
天気変化の傾向は午前9時の計算値だけではわかりません。
本当は午後9時の計算値にも書き込みをして掲載すればイイんですけど、時間がいくらあっても足りないので、
原本の図だけをサムネイルで掲載しておきますから・・・・
興味のある方は、上の色塗りを参考に、ご自分でチェックしてみてください。
(以上の専門天気図は、
http://n-kishou.com/ee/index.html で無料で手に入ります)
以上あれこれ専門天気図でチェックしてきましたけど・・・・
今ではスパコンのシミュレーションをそのまんま見ることができます。
でも、
専門天気図を使ったチェック・・・これをしっかりすることで、
お天気キャスターのコメントも充実してくるはずなんですが・・・・・イヤですね・・・爺臭くて・・・・
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