台風17・18号は西へ、南岸はぐずつき気味(9月16日)
毎朝の天気チェックの後、思いつくままブログを書いていますが、今朝思いついてしまったのが・・・・久々に
短期予報解説資料というプロ用の資料をうーんと噛み砕いて書いてみようということ。
短期予報解説資料(PDF)
http://img.n-kishou.co.jp/image4/lfax/tkaisetu_201109260340.pdf
昨日の記事で、
マニアックな天気チェックの方法をご紹介したので、
もっとマニアックに・・・なんて考えてしまったのが吉と出るか?凶と出るか?
同じことに挑戦して
以前大失敗してしまったのですが・・・・
理屈っぽい長野県民の県民性・・・・難しそうな理屈をいかに簡単にまとめられるか?・・・
再び挑戦。
同じ長野県出身の池上彰氏のマネをして挑戦してみることにしましょう。
さて、
昨日の記事にも書きましたが、予報をチェックするには、まず
予報のスタートラインになる現在の空模様(実況)を把握していなくてはダメ。
気象庁の予報官が書いている短期予報解説資料も、
「実況上の着目点」から書かれています。
今朝の着目点は、
①南岸の発達した雨雲と、
②北海道の一部で降っている激しい雨。
予報官は、それぞれ
①高気圧の回りの暖かく湿った空気と、
②寒気を伴った上空の気圧の谷(トラフ)が原因だと考えているようです。
確かに
レーダーを見てみると、
西日本南岸と北海道に活発な雨雲があって、
実況天気図と照らしてみると、
南岸の雨雲は高気圧から吹きだす風が集まる場所で発生しています。
この雨雲・・・
湿った空気が雨の原因ということですから、
衛星の水蒸気画像をチェックしてみましょう。
別途
風の観測値と併せて見ると、白く映っている
水蒸気が南と北から西日本南岸へと流れ込んでいることがわかります。
二つの風がガチンコに
ぶつかる場所が奄美方面・・・・
雨雲の発生が活発になる状態になっていますよね。
そして、
北海道付近の雨の原因・・・
寒気を伴った上空の気圧の谷の様子を
高層天気図でチェックしてみると・・・
確かに北海道付近には、
-15℃以下の寒気を伴った上空の気圧の谷が通過中。
地上付近では反時計回りの低気圧性の渦が出来やすく、寒気の影響で大気も不安定・・・小さくてもピリリとした?
活発な雷雲が発生しやすい状態になっています。
これらの原因がどう変化するのか?・・・これで今日の天気が決まってきます。
予報官はどう考えているんでしょうか?・・・・
「予想根拠」・・・
まず、①
南岸に
湿った空気が流れ込む状態が続くので、
雨雲が発生しやすい状態も続くと考えているようです。
今夜の
湿った空気の予想図を見ると・・・・
先ほど見た衛星の水蒸気画像と同様、
冷たく湿った空気と暖かく湿った空気が南岸に流れ込んで、特に
九州南岸~奄美方面でぶつかることを示しています。
このあたりの活発な雨雲・・・・やっぱり
今夜まで続くんですね。
さらに、予報官は、500hPa
(上空5800m付近)で「正渦度移流」があることも
雨雲が活発化することの理由に挙げています。
「正渦度」???ですけど、
空気の渦の巻きやすさの程度を示すもの。
「正」は反時計回りの渦を意味していますから・・・・
低気圧性の空気の流れが出来やすい・・・
上昇気流が発生しやすい空気を意味します。
こんな空気が
偏西風に乗って九州南部~奄美方面に流れ込むので・・・ただでさえ湿った空気が流れ込んで雨雲が発生しやすいのに、
さらに雨雲が発生しやすいと考えているわけです。
今朝は
記録的短時間大雨情報なんていいう「記録的」な雨が降った奄美方面ですから、防災上しっかりと解説しているんですね。
一方、
②北海道方面の活発な雨・・・・こちらは上空の気圧の谷が通過してしまえば、いったんは解消してしまうわけですが、予報官は
今夜になって寒冷前線がやってくることを予想しています。
もう一度、上2枚の専門天気図を見てみると・・・
北海道付近にも上空の気圧の谷が接近し、上空の谷付近で風が大きくU字に曲がっていて、湿った空気の様子を示す図でも、異なる性質の空気が、風が曲がった場所付近でぶつかる傾向を示しています。
北海道では今夜以降、前線の接近に伴って急な強い雨や雷のおそれがありそうですね。
・・・・・以上で、今朝の短期予報解説資料は終わりですが・・・・・・
天気が悪くなる場所のことはわかりましたが、それ以外の場所が全然わからないじゃん!!
予報官は、防災上問題がなさそうな場所のことなんか解説しないんですよね・・・・・・
しかたがないので・・・・
今夜の予想天気図に、ざっくりとコメントを書きこんでおきました。
一言で言ってしまえば、
日本海側や北日本は秋晴れが続き、南岸・・・それも西日本中心にぐずつく・・・ということになります。
そして、
どの程度ぐずつくのか?といえば・・・・・
(
灰色や黒は雲のエリアですが・・)ちょうど梅雨時に
南岸に前線が停滞しているときのような感じ。
強い雨のおそれがありそうなのは九州や奄美方面ですが、
その他の南岸エリアも一時的にパラッという雨があるかもしれません。
天気マークに
傘マークが無くても、予報官は
予報文の中に「所により一時雨」なんて書いているかもしれませんから、先の台風で傘を壊してしまった方・・・・この機会に新しい傘の準備はしておいたほうがイイかもしれません。
それから・・・短期予報解説資料では解説図に波のことだけコメントがあった
台風17号と18号。
それだけ予報官は無関係?と考えていたのかもしれませんが、
一応・・・大丈夫そう・・・ということだけ・・・・
これだけでイイですよね?
ということで、今朝のブログ書きは終わりにしますが・・・・・
なんだか冗長になってしまって・・・・・
今回も失敗?
長々とお付き合いいただいたのであれば・・・
失礼いたしました。
ご意見・ご質問等は、コメント欄・メール(kasayangw@yahoo.co.jp)
にてどうぞ。
可能な限り返信いたします。
(当ブログに引用の天気図等は、気象庁、WNI、プログラム配布先より使用許諾を得ています)
(当ブログはリンクフリーです)
関連記事