今朝の天気予報・・・もうご覧になりました?
「今日も秋晴れ・・」という
原則の話しから始まって、「ただ」と言って注意を引いて、
「○○方面では・・・雨が降りそうです」という
例外の話しへと進んだはずです。
確かに
今日の天気は秋晴れですが・・・
虫食いのように雨が降るという天気チェックがメンドウな天気。
そこで、
マニアック?な天気チェックの方法で、ブログを書き進めたいと思います。
Kasayan的にはちょっと
オススメの天気チェックのワザをお伝えするにはイイ機会だと思うので・・・・・
さて・・・今日の天気をチェックするには、
予報のスタートラインをキチンと把握しておかなければなりません。
どんなにリアルな
天気のシミュレーションを見ることができても、あくまで
バーチャル。
今の空模様がどのように変化するのか?と考えることによって、
誤って予報を理解してしまうことを防ぎます。
実況天気図・衛星画像・気象レーダーが、今の空模様(実況)を把握する
3点セット。
お天気キャスターが放送局に入って、まずチェックするのはこの3つです(赤点線が着目点)。
オススメページ:
http://www.jma.go.jp/jp/g3/
気圧配置を見て⇒対応する雲の様子を確認し⇒雲の下の雨の様子をチェックする、という流れ。
(順番が違うキャスターもいるはずですが大筋は同じことを考えています)
すべての
情報を気圧配置に集約するわけですが、これは
予想天気図を見て、現在の空模様がどのように変化するのか?を推測するための下準備。
したがって、次にチェックするのは未来の空模様の骨格・・・・
予想天気図です
オススメページ:
http://www.jma.go.jp/jp/g3/wc24h.html
気圧配置の特徴・・・・特に
悪天になる要素からチェック。
黄色の字で書きこんだように、一つ一つ天気への影響を考えていきます。
この程度のことなら、
中学校の理科の授業程度の知識で考えることができますよね?
で・・・・ここで専門天気図を使って詳しい予報を組み立てる?と思うかもしれませんが、実はそうではありません。
Kasayanもそうですが、放送局にいる予報士の多くは・・・・
気象庁の予報をチェックします。
気象庁の予報を解説するなら当然ですが、
自分で予報を組み立てるにしても、大本営発表?の予報がどうなっているのか?敵の予報を知っておくのが、より良い予報を組み立てるための一つの情報になるからです(予報を組み立てた後に気象庁発表の予報と見比べる時もありますけど)。
オススメページ:
http://www.jma.go.jp/jp/yoho/
でも・・・ただ単に天気マークの予報を眺めるわけではありません。
頭の中では、書き込みのように
天気マークでエリア分けして、
予報官の頭の中には、どんな天気分布が描かれていたのか?を想像します。
敵?の作戦?を把握するためということもありますが、短時間で効率的な解説をするためのコメントを考える上でも、エリア分けして天気が悪化する部分を把握しておく必要があるからです。
このとき・・・今日のようにエリア分けが複雑な場合には、
地域毎の予報も併用してエリア分けの正確性にこだわります。
オススメページ:
http://www.jma.go.jp/jp/yoho/ (最寄りの地域をクリック)
特にローカル局のキャスターは放送エリアについては注意深くエリア分けをするはずです。
これで予報官の頭の中にあった天気分布を把握したことになりますが・・・これだけでは終わりません。
気象庁発表の
天気予報の最終製品は府県天気予報・・・・簡単に言ってしまえば電話の177番の予報ですが・・・・これが
安全マージンも考慮して極めて良くできているので、天気分布と照らし合わせながらチェックしていきます。
オススメページ:
http://www.imocwx.com/yohoud.htm
天気マークの
傘マークがついている場所の予報文だけピックアップして地図に書き込んでおきましたが、特に気にするのは、
傘マークがついているエリアと隣接する地域の予報文。
福井県と岐阜県の予報文を書きこんでおきましたが、
マークの傘マークはなくとも予報文には「所により 雨」という趣旨の内容が書かれています。
いくらマークで天気を表示したとしても、天気がデジタル的にスパッと変化するわけがありませんから、異なる天気分布の境目の地域では、
予報文に「所により」・・・を書くことによって、予報がハズレないよう工夫がされています。
天気マークの予報だけ見て・・「予報がはずれたぞ!!」と騒いでも、「予報文を読みましたか?」と言われてしまえば・・・・恥ずかしい思いをするだけですね。
そして・・・・ここからがいよいよ
専門天気図の出番。
オススメページ:
http://n-kishou.com/ee/exp/exp01.html?cd=fxfe502&cat=e2
まずは
天気分布の骨格になる
上空からチェック(赤丸が着目点)。
実線(等高度線といいますが等圧線と同じと思ってOK)が
凹になっているところを探して赤線を引きます。
この部分が
上空の気圧の谷で、コイツがやってくると地上の天気が悪化するからです。
しばしば、お天気キャスターが
「上空の気圧の谷の影響で・・」と、わかったようなわからないような解説をしますが、地上の天気図では解説が難しいので、この谷のことを言ってお茶を濁して?いるわけです。
どうですか?
今日の気圧の谷の様子・・・先に見た
天気マークの予報の悪天のエリアと対応していませんか?
続いて、上空の気圧の谷に対応する
地上の雨の様子をチェック。
点線で描かれている12時間降水量のエリアを
色塗りするだけ(赤丸が着目点)。
この塗り方はKasayanのオリジナルで、塗り方は図中に書き込んでおきました。
雨が予想される点線の内側でも、雨の降り方は異なりますから体感的な降り方に対応するような塗り方をしているわけです(これで全国ネットの予報アニメの原図を作っていました)。
これまた先に見た
天気マークの予報の悪天エリアと対応していますし、雨の降り方もなんとなく対応しているように思えませんか?
ここまで把握しておけば、とりあえず
気象庁発表の天気予報を解説する最低限の情報を収集したことになります。
で・・・
ここからが予報士の予報士たる技量が試されることになりますが・・・・さすがに長くなってしまうので、
今日はここまで。
機会を見てここから先をご紹介したいと思います。
でも・・・・
ここまでのチェックをマネできるようになれば、気象庁発表の予報を120パーセント、あるいはそれ以上、使いこなすことができると思いませんか?
今日の虫食いの秋晴れに、運悪くぶち当たってしまった方・・・・空を怨みながら?試してみてください。
ちなみに、
もっと詳しいシミュレーションデータで
今日の雨の様子を見ると・・・・
赤丸が着目点。
ここまで、詳しく天気チェックしてきましたから、これと同じデータを見て予報を作った
予報官の意図がなんとなくわかるような気がしてくるはずです。
これが大切・・・・予報官が
予報を作るのに迷ったであろう場所まで考えられるようになったら、いざというとき何が起こっているのかを瞬時に判断して、
次善の対応をとれるようになるわけです。
連休3日目の朝・・・久々にのんびりとブログを書いてしまいました。
台風18号が発生しそうですが・・・とりあえず
日本に直接影響はなさそうですし・・・・
17号の間接的な影響(沖縄方面)はレーダーで見てのとおりですし・・・・
お出かけ前のチェックに間に合わなかった方・・・ゴメンナサイ。
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(当ブログに引用の天気図等は、気象庁、WNI、プログラム配布先より使用許諾を得ています)
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