台風15号・16号の動向と3連休への影響(9月16日)

kasayan

2011年09月16日 07:45


  14時20分追記あり

 台風進路予想図だけではわからない3連休の天気
 週間予報を見ると傘マークが散在していてイマイチ。
 台風対策をはじめ、レジャーなどの計画に頭を悩ませている方・・・・多いと思います。
 
 ちなみに明日(土曜)までの予報は今朝の段階で発表されていますが、明後日の最新の予報は11時に発表されます。
 また、最新の週間予報は11時に発表されますから、朝の段階で明後日以降の予報をチェックしても無意味ということになります。

 ということで・・・11時発表の予報をチェックする前に、明後日の予報や週間予報を作るためのデータをチェックしておいて、気象庁の公式見解である11時発表の予報を120パーセント活用できるよう、データをまとめることにしました。

 まずは、いつものように今何が起こっているのか?予報のスタートラインの実況からチェックしておきましょう。




 雨が降っているのは、秋雨前線がかかる北海道と、台風からの暖湿気が流れ込む西日本太平洋側

 また、ご存じのように、台風15号は沖縄付近で停滞しますから、この状態がしばらく続いてしまいそう・・・ということが読みとれます。

 台風が停滞する理由は・・・・




 昨日の記事と同様、上空の高気圧が日本付近を覆い、猛暑をもたらすとともに台風の北上をブロックしているから。

 地上付近ではどうなっている?・・・・・




 太平洋高気圧は次第に東へ後退する傾向にあるものの、ストレートな台風の北上を許していません。
 そして、地上の高気圧の西縁を暖かく湿った空気(暖湿気)が北上し、日本付近に流れ込む傾向・・・・

 暖かく湿った空気の様子をリアルに見ると・・・




 地上付近の高気圧が東へやや後退するのに伴って暖湿気が次第に流れ込みやすくなってくるようです

 以上をまとめると、これからしばらくは・・・・上空の高気圧のブロックによって台風は停滞するけれど、地上付近の高気圧がやや弱まって暖かく湿った空気(暖湿気=雨の原料)が西日本方面からたくさん流れ込んでくる傾向・・・・だから西日本方面からまとまった雨が降り出し、長時間降るおそれがある・・・・・ということが想像できます。

 そこで、まずは今日から明日朝にかけて、解像度の高いMSMという計算値で雨の様子をチェック。




 西日本南岸にとどまらず、秋雨前線がゆっくりと南下するのに伴って、北陸や東北方面でもまとまった雨が降り出すようです。

 台風12号の大雨の被害が続いているのに・・・どれだけ降るのか?




 台風情報として気象庁が公式に発表している予想降水量(ニュースの元ネタ)を書きこんでおきましたが、まとまった雨が降る所は明日夜までに微妙に変化します。
 赤で囲んだ数字が12時間降水量の極値にあたる場所ですから、特に大雨になる場所がどう変化するのか?参考にしてください。

 では、その後の雨はどうなるのか?3連休の雨の様子GSMという解像度のやや落ちる計算値でチェック。
 残念ながら解像度の高いMSMの計算値は最大33時間先までだから・・・・




 秋雨前線が南下し、暖湿気の流入(赤矢印)方向も変化して、雨の降るエリアは微妙に変化
 関東南部付近は比較的雨が降りにくい傾向にありますが、どう考えるか?
 
 気象庁の予報官もこのデータを基礎に、他のデータも考慮して週間予報を作っていますから、週間予報に散在する傘マークの理由をこのデータから考えて、安全マージンをとった計画を立てる参考にしてください。

 では・・・・3連休後の台風はどうなるのか?まさか次の3連休まで影響するんじゃ?

 台風の北上をブロックしている上空の高気圧の変化を見ると・・・・・




 19日あたりから弱まってくる傾向(上の実況図と比較してみてください)。
 ボチボチ台風の北上が始まる予感・・・・・

 21日から22日夜にかけて台風の様子をアニメにしてみると・・・・・




 しばしば、梅雨前線とか秋雨前線の上を台風が走る・・・なんて言いますが、南下してきた秋雨前線上を日本縦断・・・という計算結果がでています。
 秋雨前線付近には偏西風が流れているから・・・・・

 昨日の時点では????の部分も多かったのですが、週間予報を作成するための別の資料でも同様の結果が出ています。

 ただ・・・未来の空模様の一つのシナリオとして有力だということは言えると思いますが、速度の遅い台風はまだまだ不安定要因大

 今日から22日までザーッと計算値を眺めてきましたが・・・・気象庁発表の台風進路予想図が示す5日先までが予報、それ以降は有力なシナリオと考えて、直近の予想(短期予報)と遠距離の予想(週間予報)を常に見比べてコマメに修正するのが吉だと思います。

 そのためにおすすめのHPは、やはり気象庁のHP。
 税金でできているHPですから十分に使いこなしてください。

 米軍台風進路予想(TC Warning Graphicをクリック。日本時間は+9時間)
   http://www.usno.navy.mil/JTWC/
 気象庁5日間予報
   http://www.jma.go.jp/jp/typh/typh5.html

 気象庁短期予報(最寄りの地域をクリックして拡大、予報文も読むこと)
   http://www.jma.go.jp/jp/yoho/
 気象庁週間予報(更新は11時と17時)
   http://www.jma.go.jp/jp/week/

14時20分追記
  紀伊半島~四国南岸~九州南東岸の雨が次第に活発になっています。
 地形と雨の関係がわかるように3Dにしてみましたが・・・・・





 
 
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(当ブログに引用の天気図等は、気象庁、WNI、プログラム配布先より使用許諾を得ています)

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