台風14号は熱帯低気圧へ、不安定な週末(9月10日)
(
「紀伊半島の大雨の本当の理由!!」・・・興味がある方は
6日の記事をどうぞ)
14時50分追記
気象庁は、
明日正午までに台風15号が発生することを予想しているようです。
存在地域 日本の南
予報円の中心 北緯 20度40分(20.7度) 東経 137度20分(137.3度)
進行方向、速さ 西 20km/h(10kt)
中心気圧 1000hPa
中心付近の最大風速
18m/s(35kt)
最大瞬間風速 25m/s(50kt)
予報円の半径 220km(120NM)
今朝の
GSMシミュレーションモデルでは、
台湾方面へ進むことを予想されていますが、
他国のシミュレーションの中には
やや北上を予想しているものもあります。
明日以降の計算値に着目したいと思います。
台風14号の進路予想が気になる方のために・・・・・
米軍台風進路予想(TC Warning Graphicをクリック。日本時間は+9時間)
http://www.usno.navy.mil/JTWC/
気象庁5日間予報
http://www.jma.go.jp/jp/typh/typh5.html
どちらの進路予想が正しい?ということではなくて、
どちらかを主治医と考え、他方をセカンドオピニオンと考えて、安全マージンを考慮する使い方がイイと思います。
一応、気象庁は
今夜までに熱帯低気圧になることを予想していますけれど・・・
さて、今日は
今までとはちょっと異なった天気チェックの流れ(
天気チェックの裏技)で書き進めていきたいと思います。
いきなり
天気マークの天気予報から・・・・多くの方はこの図から天気チェックを始めるんじゃないかと思いますけれど・・・・
パッと見たところ、
東北日本海側と北海道北部に傘マーク。
九州方面に傘マークはありませんから、台風の影響はナシね・・・なんて考えてしまうかもしれませんけど、拡大してみると宮崎周辺に傘マーク。
ネットの天気予報の中でも天気マークの数が多い気象庁HPの図でさえ、
九州の雨が漏れています。
台風災害の
紀伊半島にはマークがありませんから、
この図の使い方も注意しなくてはなりませんよね。
(拡大が簡単にでき、全国の予報区分を表示できる気象庁HPの図がオススメです)
で・・・・
予報官はこの図を作るにあたって、様々な天気図やシミュレーションを検討するわけですが、雨・・降水の範囲などを判断するにあたって
多用されるのがMSMというシミュレーション。
最寄りの県の予報官が、この図を見ながら
「今日の天気予報をどう組み立てようか?」と考えていたのか、ちょっと
イメージしてみてください。
そして、最寄りの地域の・・・・天気マークの天気予報の元ネタになる
府県天気予報を読んでみましょう。
(天気マークの予報には「所により・・・」が表示されませんから、府県天気予報を読まないのは失敗のモト)
府県天気予報:
http://www.imocwx.com/yohoud.htm
(予報の末尾にある3ケタの番号はテロップ番号といいます。(111)なら「晴のち曇」マーク、(313)なら「雨のち曇」マークを表示しなさいよ・・・という天気マークの予報の元ネタです)
東京の予報官・・・・今日いっぱい、東京に降水は計算されていませんし、上のアニメに書き込んだ雷雨が予想されるエリアからも遠いですから、
日中は晴れの予報でイイな・・・・なんて考えて予報を作ったのかもしれません。
一方、
宮崎の予報官は、台風が遠ざかって雨は止むな・・・晴れまでは回復しないんだろう・・・
夜、再び降水エリアが東側に迫ってくるけど、
雨の予報を入れる必要はあるかなぁ?・・・なんて夜の雨を
迷いながら予報を作ったのかもしれません。
さて、予報官が予報を組み立てる場合、
シミュレーションだけを見ているわけではありません。
予報を組み立てる上で何を考える必要があるのか?・・・まずは
超大ざっぱに気圧配置上のポイントを考えているはずです。
今朝は・・・
台風14号の熱帯低気圧化と、日本海の前線、そこに吹き込む暖かく湿った空気(暖湿気)の様子・・・だと思います。
その上で、具体的には・・・・
短期予報解説資料掲載の図ですけど・・・・ポイントは
台風・前線・暖湿気・・・こんなことを考えていたんでしょう。
そして、まず
台風の様子については・・・・・
衛星やレーダー・アメダスなどを使って、台風周辺で何が起こっているのか?
実況を把握して・・・・
今の様子を可能な限り具体的にイメージしたはずです。
そして、
シミュレーションと実況の対応を見ながら、雨が多く計算され過ぎているんじゃないの?なんて考えながら、予報を組み立てる前に
シミュレーションを修正したかもしれません。
また、
台風の今後の進路や、晴れのエリアがどのように変化するのか?を把握するために、
上空の天気図を使って太平洋高気圧や偏西風の動向をイメージしたことでしょう。
さらに、雨の原料になる
暖かく湿った空気(暖湿気)の動向も詳しくイメージして、
雨の計算値の修正の必要性や、シミュレーションの解像度では
計算されない雷雨などの有無についても検討したかもしれません。
熟練の予報官の頭の中では、
アニメのように立体的な暖湿気の動きがイメージされていたことでしょうね。
そして、前線の発達の程度を見るために、
暖湿気と対になって前線を活発化させる前線北側の寒気もチェックしていたに違いありません。
天気予報の最終製品といえる
府県天気予報や天気マークの予報から予報官の思考過程を想像してみたわけですが、こう考えていくと、
予報官が迷ったかもしれない箇所に気付くことがあります。
予報官が迷ったかもしれない箇所は・・・
予報がアヤシイ場所で、
選択しなかった天気予報のシナリオが予報がはずれた場合の天気になる可能性大。
このように考えておくと、登山やマリンスポーツなどで天気の急変に出くわしたときにも
次善の策をとり易くなります。
実はコレ、気象庁の
天気予報を解説する原稿を書くときのKasayanの天気チェック方法だったんです。
秋の行楽シーズン前の事故防止に・・・・天気に興味のある方は
できる範囲で試してみてください。
なお、ここに
掲載している天気図のほぼすべて、カタチこそ異なれどすべて
無料で手に入れることができる情報です。
近々、
天気図のリンク集も掲載したいと思っています!!
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可能な限り返信いたします。
(当ブログに引用の天気図等は、気象庁、WNIより使用許諾を得ています)
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