台風12号・13号?の動向、大雨の今後(9月4日)
17時00分追記あり
台風が遠ざかっても大雨がおさまりません。
テレビの天気予報では、
台風の進路予想図が主役になっていますが、
進路予想図から暴風域が消えたり、日本海に抜けたあとは急激に防災意識が低下してしまうものです。
しかし、今回の台風は、
上陸前から大雨被害をもたらしたように、
遠ざかっても大雨の尾を引きます。
このあたり、
天気予報や報道番組でどう伝えていくのか?が難しいところでしょう。
さて、台風12号とは別に、気象庁発表の今夜の予想天気図には
台風13号?が表示されています。
台風13号の動向も含めて、今日は
①台風12号の動向と大雨の様子、
②台風13号?の動向についてまとめておきました。
1、台風12号の動向
予想進路図が気になる方が多いと思いますが、
ノロノロ台風の現在の位置や予想進路はコロコロ変化するものです。
ブログで表示するのは不適切なので、以下のURLを参考に
最新のものを確認してください。
米軍台風進路予想(TC Warning Graphicをクリック。日本時間は+9時間)
http://www.usno.navy.mil/JTWC/
気象庁5日間予報
http://www.jma.go.jp/jp/typh/typh5.html
台風情報(文字情報:台風に関するニュースの元ネタ)
http://www.jma.go.jp/jp/typh/typh_text.html
地方気象情報(文字情報:「予想される雨量は○○ミリ」というニュースの元ネタ)
http://www.jma.go.jp/jp/kishojoho/103_index.html
さて、詳細な雨や風の様子を気象庁のシミュレーションでチェックする前に、「木を見て森を見ない」ことにならないよう、
気圧配置を上空の天気図と併せて概観しておきます。
今回の
台風がノロノロなのは、上空の偏西風が日本付近に南下していないからと説明されていますが、
偏西風を南下させるのが上空の気圧の谷。
今朝の段階ではまだまだ浅いですが
今夜にかけてやや深まって、
偏西風(赤矢印)も南下してきます。
台風までは
まだまだ遠いですけれど・・・・
また、この
上空の気圧の谷、比較的強い
寒気を伴っていて、気圧の谷が深まるとともに
寒気も南下。
台風の反時計回りの風・・・
台風の西側の北西風が寒気を引きづり下ろすというイメージでしょうか。
西日本方面から寒気が南下してきます。
寒気が南下すると、
台風の東側から流れ込んでいた大雨の原料・・・
暖湿気とぶつかることになります。
大雨が尾を引く原因がこれ。
暖湿気と寒気(冷涼乾燥空気)がぶつかる様子・・・・・・
まずは
立体的に見ると・・・
地上付近に暖湿気が流れ込み、
上空から寒気が南下してきます。
ちょっとわかりにくかったかな?・・・これを念頭において、二種類の異なる性質の空気が、台風を中心に回転するように
ぶつかり合う様子をアニメで・・・・
明日になると、
台風の東に巻き込まれるように流れ込んでいた暖湿気(黄色)が、日本海北部まで進んだ
台風に向かって南から一気に駆けあがるような流れに変化。
他方、西日本方面から寒気(冷涼乾燥空気:緑)が南下してきますが・・・このアニメではちょっとわかりにくいですが、
東海付近に両空気のぶつかるラインできて・・・大雨をもたらす南北の降水帯が形成されそうです。
以上を踏まえて、具体的な
雨と空気の流れの様子・・・MSMというシミュレーションで明日朝まで・・・・
二つの空気のせめぎ合いの様子がわかるように、
青と赤の矢印も書きこんでおきました。
台風が遠ざかっても、
大雨のエリアがシャープになって東海・甲信越方面で継続することが読みとれると思います。
暴風域が無くなっても、南下してくる寒気の影響で温帯低気圧の性質に変化してきているだけなので、かえって
風速15m/s以上の強風域が拡大する傾向。
風速に関しては地形的な影響が大きいので、
台風進路予想図の強風域や府県天気予報の風の予報を参考にしつつ、この図の風向きから、どのような風が吹くのか?イメージしてみてください。
各地の府県天気予報:
http://www.imocwx.com/yohoud.htm
なお、
Kasayanの住んでいる長野で大雨が計算されている明日朝の様子については・・・・拡大して・・・・
図に掲載しておいた
予想降水量は、長野地方気象台が今朝発表したもの。
明日朝6時までの予想降水量ですから、
そこから先の時間帯が問題・・・今日の
夕方に発表される大雨情報はチェックしたいところです。
一番上に掲載しておいた
地方気象情報のリンクで最寄りの地域の気象情報を読むことができますので、ご参考までに。
2、台風13号?の動向
気象庁発表の
今夜の予想天気図にはTSと表示されていますから、気象庁は風速17.2m/s以上・・・
台風まで発達すると予想しているわけですが、台風になれば順番からして
13号。
台風12号のチェックと同様・・・「木を見て森を見ない」のは、シミュレーションによって天気チェックするときに陥り易い過ちなので・・・
上空の気圧配置も含めてチェック・・・・・
先に見た
上空の気圧の谷が一気に深まって偏西風も日本上空まで南下。
計算どおり
偏西風に乗れば北東に進み始めますから、なんとか
関東沖接近までで済みそう・・・という計算結果が出ていますが・・・台風12号のようなデッカイものが存在していると
シミュレーションが多少暴走することがあるので・・・・
しばらく疑いの目でチェックを続けておきたいところです。
17時00分追記
紀伊半島方面の大雨は今日中に峠を越えそうな気配。
東海~関東の雨については、これからが注意を要する状態であることは、今朝の記事でご理解いただけたと思いますが、その
量的な計算値については、今日日中、
新たな計算値が発表されるたびにコロコロ変化している状態です。
この場合、「何を信じればよいのか?」という判断をするのではなく、
「安全マージンをとる必要がある」という判断が適切です。
というのも、
降水が少なくてすむという積極的なデータはなく、ゲリラ雷雨が発生してもおかしくないと考えられる状況以上の暖湿気(雨の原料)は明日も流れ続けるからです。
最新の
短期予報解説資料というプロ用の資料からの抜粋ですが、
明日の大雨の着目点は東海沖に発生するシアーライン。
前線と似て
空気の流れが急変する場所とイメージすれば良いと思いますが、
雷雲が発達しやすいシアーラインが東海沖を東進。
東海沿岸部を中心に活発な雨が予想されるというのが気象庁の見解です。
各地の気象台が発表する予想降水量は、以下の
地方気象情報でチェックできます(ニュースや天気予報の「○○地方は多いところで◎◎ミリ」と言っている元ネタ)。
地方気象情報:
http://www.jma.go.jp/jp/kishojoho/105_index.html
最新のMSMデータにシアーライン等の書き込みをしておきましたので、以下に掲載しておきます。
(気象庁発表の予報の最終製品といえる)
府県天気予報を読みながら、具体的な雨の降り方をイメージするために使ってください。
(用語の定義にしたがって読まなければ無意味です)
府県天気予報:
http://www.imocwx.com/yohoud.htm
用語の定義:
http://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/yougo_hp/mokuji.html
ご意見・ご質問等は、コメント欄・メール(kasayangw@yahoo.co.jp)
にてどうぞ。
可能な限り返信いたします。
(当ブログに引用の天気図等は、気象庁、WNIより使用許諾を得ています)
(当ブログはリンクフリーです)
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