雷雨予想・・・猛暑の梅雨明け?(7月9日)
故郷長野にUターンした気象予報士Kasayan。毎朝コツコツ天気予報の老化防止?。おきまりのテレビの天気予報に背を向けて、視聴者目線で「天気予報」をチェックします。
昨日、
四国、中国、近畿、東海地方の梅雨明けの発表がありましたが、
九州北部や北陸、関東甲信の梅雨明けの発表はありませんでした。
気象庁が梅雨明けを発表しなければ夏が来ないなんてことはないのですが、
梅雨明けの発表をクビを長くして待つ風習?があるのはなぜでしょう・・・・
気象庁の予報官が決めることなので、外野でどうのこうの言うことはないんですけど、
昨日の梅雨明けの発表がなぜ太平洋岸中心になったのか?を含めて今日の天気・・・
特に雷雨についてざっくり検討してみたいと思います。
テレビやラジオの天気予報と同じなので、いまさらという解説ですけど、今日の雷雨の発生場所を考える上では、
暖湿流の流れ方がポイントになりそうなので、一応アニメを作っておきました。
その
暖湿流(雨の原料の流れ)の様子ですが・・・・・
太平洋高気圧が多少西側に張り出してきたので、
暖湿流のメインの流れは
九州の西側、九州北部をかすめて日本海を経由、北陸をかすめて東北方面の前線に流れ込んでいます。
このため、昨日梅雨明けの発表があった
四国や東海は太平洋高気圧の下降流域・・・
比較的乾燥したエリアに入るので、
雷雨の発生は少なめ?。
だから発表に思い切った?
他方、梅雨明けの発表がなかった
北陸や関東付近、東北方面は暖湿流のメインの流れにはあたらないものの、
多少なりとも暖湿気が流れ込む傾向があるので、強い日射や風の収束、山肌の加熱によって
上昇気流が発生すれば雷雨が発生しやすい状態にあります。
このあたりが梅雨明け発表を押しとどめたのでは・・・・と思うのですが・・・・・予報官はどう考えたのでしょうか?
今日・・・太平洋高気圧が勢力を強める気圧配置だけを考えると、
関東甲信や北陸でも梅雨明け発表をしておかないと発表の機会を失いそうです。
したがって、今日にも関東甲信あたりの梅雨明けの発表があるかもしれませんが(週末だということも考慮する必要がありますが)、大気不安定による雷雨の傘マークが付きやすい状態がしばらく続きますから、
梅雨明け直後の安定した晴天を過剰に期待しないほうが無難でしょう(特にアルプスの登山者)。
まあ、梅雨明けはどうでもイイとして、問題は
今日どこで雷雨が発生するのか?ですよね。
暖湿流がかすめる九州北部や関東甲信越、東北がアヤシイ地域になりますが、計算上は
特に関東甲信に山岳地帯に雷雨が予想されています。
このあたりは、強い日差しによる猛暑で、
長野県の松本付近に熱低気圧(ヒートロー)が発生し(図中の「低」の書き込み)、日本海や太平洋の
海風が集まってきやすい場所にあたります。
また、
日本有数の山岳地帯ですから、
風が山で強制的に上昇させられたり、暖められて
上昇気流が発生しやすい山肌が無数にあります。
ズームしてみると・・・・
風が集まり易い場所や強制的に
空気が上昇させられやすい場所を赤の点線で示しました。
もちろん、
これ以外の場所でもゲリラ的に雷雲が発生する可能性は十分にありますから、この場所を特に注意すべき場所と考えて、お出かけには携帯で見ることのできる
気象レーダーを時々チェックするのがオススメです。
なお、時間的には
高い山では昼頃から、
それ以外の場所でも15時前後には可能性が急速に高まります。
そして・・・・発生した雷雲も同じ場所には留まらず、
上空の風に流されますから、そのあたりも考えねばなりませねん。
上空の風は
南西方向ですが、
風速が弱いので、似たような場所で雷雨が続くかも・・・・・。
(この計算値・・・計算の解像度が雷雲のスケーを十分にカバーできるものではありませんから、あくまで雷雲発生の「傾向」を見るものと思ってください)
最後はKasayanの備忘録・・・暖湿流の様子
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(当ブログに引用の天気図等は、気象庁、WNIより使用許諾を得ています)
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