2011年09月17日

台風15号・台風15号の動向と紀伊半島の雨(9月17日)


 今日(17日)、明日(18日)は、外出先からのブログ更新になるので、内容はちょっと薄くなってしまいますが、ポイントはしっかり押さえていきたいと・・・・・・


台風15号・台風15号の動向と紀伊半島の雨(9月17日)


 気象庁が考えている目先のポイントは以上3箇所の激しい雨。
 台風が停滞する沖縄で暴風雨が継続するのはわかりやすいですから①目先の南岸の大雨と、②向こう一週間の台風の動向にしぼってチェックをしていくことにします。

 まず、①目先の大雨から。

台風15号・台風15号の動向と紀伊半島の雨(9月17日)


 今朝の時点でまず注目したいのは、九州南東部~四国南部~紀伊半島~東海の、台風から流れ込む「暖湿気」による地形性の雨
 そして、南下してくる秋雨前線まで流れ込んだ暖湿気による活発な雨・・・北陸では思った以上の雨の量に驚かれている方もおられるでしょう。

 で・・・特に降水量がまとまっている目先の紀伊半島や四国の大雨の今後ですが・・・・

 いつもの・・・MSMという解像度の高いシミュレーションモデルを使った風と降水量の関係の図・・・作ることができる環境にないので・・・ほぼ同等の情報が得られるHPをご紹介しておきます。
 
 weather service   http://www.weather-report.jp/com/professional/msm/kosui/kinki.html

 雨だけではなく地上付近の風の様子もチェックして、風上にあたる斜面が雨雲発達の要注意ポイント。
 要注意ポイントがどのように変化していくか?という目でチェックしてみてください。

 さて、次は②台風の今後の動向

 書きっぱなしのブログに不適切な予想進路図は、以下のURLで最新のものをチェックしていただくとして・・・

 米軍台風進路予想(TC Warning Graphicをクリック。日本時間は+9時間)
   http://www.usno.navy.mil/JTWC/
 気象庁5日間予報
   http://www.jma.go.jp/jp/typh/typh5.html

 沖縄付近で停滞した後、台風15号がどうなるのか?が一番関心のあることだと思います。

 この点、昨日の記事に掲載した気象庁のGSMモデルというシミュレーションデータでは、秋雨前線の南下に伴い、前線に対応する偏西風にのって日本を縦断というシナリオが予想されていました。
 で・・・今朝の最新の計算値では・・・・

台風15号・台風15号の動向と紀伊半島の雨(9月17日)


 縦断のタイミングは昨日と微妙に変化していますが、少なくとも日本縦断する傾向に変化はありません

 なぜ、縦断するのか?を週間予報を作るための高層天気図でチェックしてみましょう。

台風15号・台風15号の動向と紀伊半島の雨(9月17日)


 秋雨前線が南下してくるのは、日本の西にある上空の気圧の谷が次第に深まるとともに、ゆっくりと東へ進んでいるため。
 上空の気圧の谷が運んでくる冷たい秋と冬の空気も南下して、夏の空気とぶつかるライン・・・秋雨前線も南下してくるということになります。

 そして、上空の気圧の谷の南側には偏西風が流れているので・・・前線南下とともに台風が突然北東に走り出すことになるわけです。

 このように、週間予報のための天気図でもGSMと同様の結果になっていて・・・・

 アメリカのGFSというモデルでも・・・・

台風15号・台風15号の動向と紀伊半島の雨(9月17日)


 5日間も先のシミュレーションのわりには、気象庁GSMとほぼ一致しているといってよいと思います。

 ということで、以上の台風の動向が、ますます未来の空模様の有力なシナリオになってきたといえそうですが、気象庁の台風進路予想図は少し遅めの計算をしています。
 台風モデルという別のシミュレーションを使っているので、違いが生じるのも当然なのですが、予報円の最先端を進むと思えば、GSMと大きく異なるともいえません

 今後、台風の進路予想を見る場合、中心位置に目を奪われてしまいますが、予報円の最先端を早めに進む可能性があるかもしれない・・・という安全マージンをとったチェックをされるとよいかも? 

 何が起こるのか?・・・一日3回発表される気象庁の予報を、上のアニメをイメージしながらチェックしてくださいね。

 気象庁短期予報(最寄りの地域をクリックして拡大、予報文も読むこと)
   http://www.jma.go.jp/jp/yoho/
 気象庁週間予報(更新は11時と17時)
   http://www.jma.go.jp/jp/week/

 コメントやメールへの返事・・・外出中なので少し遅れるかも・・・ごめんなさい。

 
 ご意見・ご質問等は、コメント欄・メール(kasayangw@yahoo.co.jp)にてどうぞ。
 可能な限り返信いたします。

台風15号・台風15号の動向と紀伊半島の雨(9月17日)

(当ブログに引用の天気図等は、気象庁、WNI、プログラム配布先より使用許諾を得ています)

(当ブログはリンクフリーです)




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Posted by kasayan at 07:07│Comments(4)雑記
この記事へのコメント
kasayanさんおはようございます。

昨夜(私が見ていた21時ごろ)から未明にかけて、四国、瀬戸内海、中国地方、日本海西部にわたり、南西から北東へ広がる幅の広い雲域に対応する対流性降水エコーがみられました。
この雲域および強いエコーの直接的な原因は何でしょうか。

①台風15号の東からと、高気圧縁辺流による340K以上@850hPaにおける高相当温位の空気の流入。
②850hPaで強い南寄りの風と、日本海西部の東よりの風(そう見えた)とが当該地域で収束していた?
③四国山地、紀伊山地による強制上昇によるもの。

①~③の複合的な要因とも思うのですが。

一方、16日18時の速報天気図(地上)では、秋雨前線は当該エコー域よりもう少し北に解析されていました。
だから、前線は直接的な影響は少ないと考えたのですが、潜在的な前線があったとも解釈できそうですね。

長文失礼しました。
Posted by sekky at 2011年09月17日 09:22
>>sekkyさん
 外出先でのブログ更新ですので・・・詳しいことは検討できる状態ではないので・・・申し訳ありません。
 850の相当温位だけではなく、各層の温度場はどうだっのか?各層の風系はどうだったのか?そのあたりも総合的に検討されてみてはいかがでしょうか?
 前線解析の基本事項以外に検討することは誰にもでませんから・・
Posted by kasayankasayan at 2011年09月17日 23:02
おはようございます。

すみませんでした。
ついつい甘えてしまいました。
ご相談しやすいもので…

もうちょっと調べてみます。
Posted by sekky at 2011年09月18日 06:44
最近の天変地異はこれまでの規模を
超えていて、こわいです。

kasayanさま、お世話になります。

kasayanさまのブログは、大手新聞社の台風情報よりも詳細でわかりやすいですね。


明かり新聞では、
被災された方のための
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ブログにて、台風情報をまとめてみました。

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台風15号 まとめ
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台風12号 まとめ
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こんごは災害ボランティア募集情報など、
詳細が判り次第、上記のURLにて掲載してゆきます。
どうぞよろしくお願いします。
Posted by akari at 2011年09月21日 15:49
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